・東京科学大学の細胞療法研究を支援
日立グローバルライフソリューションズ、日立製作所、日立ハイテク、岩谷産業、日本精工の5社は3月19日、東京科学大学が進めるウイルス感染症治療向け細胞療法「TP-MVST療法(Third-Party Multi-Virus Specific T-cell Therapy)」において、治療用細胞の製造自動化に向けた共同開発を3月から開始したと発表した。
同療法は、造血細胞移植後に発症する治療抵抗性のウイルス感染症に対する新たな治療手段として期待されるが、治療用細胞の製造ではドナー由来細胞のばらつきへの対応や、複数工程における手作業依存が課題となっており、品質の安定化と大量生産の両立が求められている。
今回の共同開発では、東京科学大学が臨床知見を基礎研究へ反映するリバース・トランスレーショナル・リサーチの手法を用いて全体を統括。各社はそれぞれの技術領域を持ち寄り、製造プロセスの標準化と自動化を推進する。
日立グループは中核的役割を担い、日立グローバルライフソリューションズが温度・湿度・室圧・清浄度を精密制御する空調エンジニアリング技術を活用した細胞培養加工施設向けソリューションを提供。併せて製造設備の稼働データを活用する「デジタライズドアセット化」を推進する。日立製作所は細胞培養の最適化に向けたシミュレーション技術を、日立ハイテクは培養工程の自動化技術をそれぞれ開発する。
一方、岩谷産業は液体窒素を活用した凍結保存手順の開発を担当し、日本精工は回転技術を基盤とする精密制御技術を生かし、細胞の洗浄・精製工程を自動化する機器開発を担う。
また、日立のコネクティブインダストリーズセクターでは、データとドメイン知識、AIを組み合わせた次世代産業ソリューション「HMAX Industry」の一環として、バイオ医薬分野向けソリューションの開発も推進する方針だ。
各社は今回の取り組みにより、治療用細胞の品質安定化と大量製造の両立を実現し、将来的には造血細胞移植後のウイルス感染症に対する新たな治療手段の確立と、患者のQOL向上への貢献を目指す。