川崎重工、水素液化プラント向け遠心式水素圧縮機の実証運転を開始

・世界初の取り組みで高効率化を実証へ

川崎重工業は3月19日、水素液化プラント向け遠心式水素圧縮機「KM Comp-H2」の実証設備を播磨工場(兵庫県加古郡)に建設し、2026年1月から純度100%水素ガスによる実証運転を開始したと発表した。水素液化プラント向け遠心式水素圧縮機の実証は世界初の取り組みで、水素サプライチェーンの高度化に向けた中核技術として注目される。

本実証は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進するグリーンイノベーション基金事業の一環として実施するもの。水素液化機向けの大型高効率機器の開発を目的としている。

水素エネルギーの普及には供給コスト低減が不可欠であり、とりわけ水素液化プラントの大容量化が課題となっている。一方で、大容量の冷却用水素ガスを限られたスペースで高圧縮できる装置はこれまで存在していなかった。今回の「KM Comp-H2」はこうした課題を解決する次世代型の遠心式圧縮機であり、水素液化プロセスの効率向上に寄与する。

同装置は、新開発の超高速回転型遠心圧縮機を採用することで、高圧縮と省スペースを両立した。従来装置と比べて設置面積を約7分の1に削減可能とする。また、高速回転環境に対応した中間冷却技術と高効率インペラの採用により、従来比で年間約3~4%の消費電力削減を見込む。

さらに用途面でも、水素液化プラントにとどまらず、水素パイプラインや地下貯蔵設備、製油所、製鉄所、アンモニアプラントなど幅広い分野への展開が可能としている。

同社は今後、「KM Comp-H2」を核に水素関連製品(タービン、エンジン、運搬船、タンクなど)との連携を進め、水素サプライチェーンの構築を推進。カーボンニュートラル社会の実現に貢献する方針だ。

■プロジェクト概要
目的:遠心式水素圧縮機の性能および安全性の総合検証
実証地面積:150m2
実証装置:圧縮機/増速ギア/電動モーター/潤滑油循環設備/ガス漏洩防止装置/ガス冷却装置 ほか
試験内容:純度100%水素環境での性能評価/液化装置模擬条件での部分負荷特性評価/長期連続運転による信頼性評価 ほか
試験機能力:処理流量 約35,000m3/hr、圧縮比 約3 (圧縮機の吸い込み圧力と吐出圧力の比)

ニュースリリース