加賀電子(東京都千代田区)は3月13日、連結子会社の加賀シンガポールにおいて、2026年4月の稼働を目途にEMS(電子機器受託製造サービス)の新工場を開設すると発表した。アセアン地域で拡大する多品種小ロット需要に対応するとともに、自社開発設備の外販強化も狙う。
同社はアセアンにおけるEMS事業の中核として、2002年に加賀タイランドを設立し、タイ国内に3工場を展開。空調機器や事務機器、車載関連機器向けの基板実装を手掛けてきた。さらにマレーシア、インドネシア、ベトナムにも拠点を広げ、プリント基板の表面実装から完成品組立まで一貫対応する生産ネットワークを構築している。
今回開設するシンガポール新工場は、「自動化・省人化」をコンセプトに、自社開発の基板実装用自動化設備を導入するのが特徴。同設備は中国の有力装置メーカーとの協業により開発されたもので、多品種小ロット生産における生産性向上と柔軟性の両立を実現する。
加えて同工場は、生産拠点としての機能にとどまらず、自動化設備の外部販売を目的とした「ショールーム機能」と、顧客オペレーター向けの「トレーニングセンター機能」を併設する複合施設として運用する。これら機能を併せ持つ拠点は同社初であり、EMS業界としても先進的な取り組みとなる。
同社は2018年以降、自社開発の基板実装機器「ハッテン(HATTEN)」シリーズの開発を進めており、実装ラインを構成する主要装置を自社製品で揃える体制を構築。国内外の拠点への導入を進めるとともに、外販ビジネスの拡大を図っている。今回の新工場は、その実証・販売拠点としての役割も担う。
■計画概要
所在地:シンガポール 2 Corporation Road, Corporation Place, Singapore 618494
延床面積:約800㎡
生産品目:電子・電気機器用プリント基板の表面実装
稼働時期:2026年4月(予定)
従業員数:14名(当初)
投資額:約1億円(初期投資)