・ラインアップ拡充で多様なニーズに対応
三菱重工グループの三菱重工サーマルシステムズ(東京都千代田区)は3月19日、自然冷媒R290を採用した欧州向けヒートポンプ式給湯暖房機(Air to Water:ATW)「Hydrolution EZYシリーズ」の製品ラインアップを拡充したと発表した。従来の6kWおよび7.1kWモデルに加え、新たに10kWと14kWの2モデルを追加。これにより、住宅から中規模施設まで対応可能な容量帯を揃え、欧州市場の幅広い脱炭素化ニーズに応える。今春から欧州各国で順次販売を開始する予定。
Hydrolution EZYシリーズはモノブロックタイプを採用し、水熱交換器を室外ユニットに内蔵しているため、施工は水配管のみで完結。従来のスプリットタイプに比べて設置工事が大幅に簡素化される点が特徴だ。冷媒に採用したR290(プロパン)は地球温暖化係数(GWP)が0.02と極めて低く、欧州の厳格なFガス規制強化に対応した環境性能を備える。高効率性と低環境負荷が評価され、カーボンニュートラル推進の鍵となる製品として位置づけられている。
新たに追加された10kW・14kWモデルは、既存モデルと共通の基本性能を継承。外気温-25℃から+43℃の広範囲で75℃の高温給湯を安定供給可能で、新冷媒対応部品の刷新と自社開発圧縮機の採用により実現している。特に10kW・14kWモデルでは暖房・冷房それぞれに電子膨張弁を搭載し、広範な負荷域で最適制御と高効率を両立させた。
静音性向上策として、二重防振構造・三重吸音構造・大型ファンの組み合わせに加え、静音モードを標準装備。住宅密集地での騒音規制にも柔軟に対応できる。また、安全面では冷媒漏えい検知センサーを搭載し、R290の可燃性に対するリスクを徹底低減している。
デザインは全モデルで統一感を持たせ、黒色を基調に銀色の縦ラインをアクセントとした樹脂製ファンガードを採用。斜め方向からのファン視認性を抑えた構造で、欧州住宅街に溶け込みやすい洗練された外観を実現した。10kW・14kWモデルは高さ寸法のみが異なるため、複数台設置時でも統一感を損なわない。
電源仕様では、単相230Vに加えて三相400Vを新たにラインアップし、設置現場の多様な電源環境に対応。制御面では1台の室内コントローラーで最大8台の室外ユニットを連結管理可能で、小規模住宅から中規模ビルまで柔軟に展開できる。
三菱重工グループは「MISSION NET ZERO」宣言のもと、2040年までのCO₂排出ネットゼロを目指しており、本製品は化石燃料ボイラーからの電化移行を促進する重要なソリューションとなる。欧州のカーボンニュートラル政策とグループの環境目標達成に大きく寄与すると見込まれる。
三菱重工サーマルシステムズは今後も、冷熱分野の技術基盤を活かした環境配慮型製品開発を加速し、世界の脱炭素化に貢献していく方針。
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