荏原製作所、液化水素サプライチェーン実証で昇圧ポンプと極低温ブロワを一括受注

・川崎LH2ターミナル向けに供給

荏原製作所は3月17日、グループ会社の荏原エリオットとともに、液化水素サプライチェーン商用化実証において、川崎重工業から液化水素昇圧ポンプおよび極低温水素リターンガスブロワを一括受注したと発表した。神奈川県川崎市で建設が進む「川崎LH2ターミナル」向けで、液体・気体双方の主要回転機器をワンストップで提供し、基地全体の安定稼働を支える。

本件は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援のもと、日本水素エネルギーが主導する液化水素サプライチェーン商用化実証の一環。カーボンニュートラル実現に向け、水素供給コスト低減を目的とした大規模実証が進む中、その中核拠点となる受入基地向けの主要機器を受注した。

今回の特徴は、液化水素昇圧ポンプと極低温水素リターンガスブロワを組み合わせた「トータルソリューション」としての提供にある。液・ガス双方の回転機器を一体で供給することで、基地全体の熱バランス維持と安定運用を実現する。

液化水素昇圧ポンプは、液化水素を所定圧力まで昇圧し下流設備へ供給する高圧ポンプで、世界最高圧力水準を実現。直列4台構成とすることで、必要台数を抑え、設備コストやメンテナンス負荷、リスク低減に寄与する。最大全揚程は3,200m、最大流量54.3m³/h、最低運転温度はマイナス253℃。納入は2029年5月を予定する。

一方、極低温水素リターンガスブロワは、設備内で発生するボイルオフガスを回収・循環させ、陸上設備と液化水素運搬船間の圧力バランスを維持する装置。極低温域における遠心式ブロワ技術の社会実装は世界初となる。最大流量は13,000m³/h、最大圧力120kPaG、最低運転温度はマイナス240℃で、2028年5月の納入を予定する。

荏原は、NEDO助成事業のもとで技術開発を進め、2022年にはJAXA能代ロケット実験場において大型遠心式液体水素ポンプの実液試験に成功。宇宙開発レベルで実証された技術を背景に、本プロジェクトへの適用を進める。

さらに同社は、千葉県富津市に液体水素ポンプの実液試験が可能な実スケールの商用製品試験・開発センターを建設中(2026年夏竣工予定)。同センターで性能や極低温環境下での連続運転性を検証したうえで製品を納入する。

液化水素受入基地において、これら機器は水素の流れをつなぐ中核設備となる。荏原は水素関連技術の高度化を通じ、脱炭素社会の実現に向けたインフラ構築を支援していく。

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