東芝エネルギーシステムズ、北海道―本州間連系設備更新向け自励式HVDCを受注、2031年度運用開始へ

東芝エネルギーシステムズは3月16日、電源開発送変電ネットワークが保有・運用する北海道―本州間電力連系設備(北本連系設備)第1極更新工事向けに、自励式交直変換設備を受注したと発表した。変換器や変圧器、制御保護装置などで構成される設備の設計、調達、据付を担う。機器搬入は2029年度以降に順次行い、試験を経て2031年度中の運用開始を予定している。

北本連系設備は、北海道の函館変換所と青森県の上北変換所を結ぶ直流送電設備で、約167kmの直流送電線路により北海道と本州の電力系統を接続する基幹インフラ。長距離かつ海峡をまたぐ送電のため、高圧直流送電(HVDC:High Voltage Direct Current)方式が採用されている。

現在、北海道―本州間の連系能力は、北本連系設備60万kW(第1極30万kW、第2極30万kW)と、新北海道本州間連系設備(新北本連系設備)第1極30万kWの合計90万kW。さらに新北本連系設備第2極30万kWの建設が進んでおり、完成後は連系能力が一層強化される見込み。

一方、北本連系設備第1極は1979年に運転を開始しており、45年以上が経過。主要機器の老朽化が進んだことから更新が計画された。今回更新される設備では、自励式交直変換装置(VSC:Voltage Source Converter)を採用する。

自励式方式は、従来の他励式交直変換装置(LCC:Line Commutated Converter)と異なり、接続する交流系統の状態に依存せず自ら交流波形を生成して直流と交流の変換を行えるのが特長。災害時などで交流系統の電圧が不安定な場合でも安定した電力融通が可能になる。既設の第2極は他励式のため、更新後の北本連系設備は自励式と他励式を組み合わせたハイブリッド構成となる。

同社はこれまで、既設の北本連系設備および新北本連系設備第1極にHVDCを納入してきたほか、現在建設中の新北本連系設備第2極向けにも自励式HVDCを受注している。今回の設備は同第2極向けと同型で、実績に基づく信頼性と品質を生かし電力の安定供給に貢献するとしている。

国内では再生可能エネルギー導入拡大や電力ネットワーク強靱化を背景に、広域系統長期方針(マスタープラン)に基づく系統強化が各地で進む。海外でも同様にHVDCを中心とした広域連系技術の需要が拡大しており、同社はこれまで培ったHVDC技術を生かし国内外での電力インフラ整備に貢献していく考え。

■プロジェクト概要
事業名:北海道・本州間電力連系設備(北本連系設備)第1極更新工事
発注者:電源開発送変電ネットワーク
受注者:東芝エネルギーシステムズ
設備内容:自励式交直変換設備(変換器・変圧器・制御保護装置など)の設計・調達・据付
設置場所:函館変換所(北海道)/上北変換所(青森県)
送電方式:高圧直流送電(HVDC)
連系距離:約167km
既設容量:30万kW(第1極)
搬入開始:2029年度以降順次
運用開始:2031年度予定

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