ABB、インドに約7,500万ドルを追加投資、電化・自動化分野の生産とR&Dを強化へ

ABB:2026年3月9日

スイスの総合電機大手ABBは、2026年にインドで約7,500万ドルを投じ、生産体制および研究開発(R&D)機能の拡充を図ると発表した。再生可能エネルギー、都市鉄道、データセンターなどの重要インフラ向け電化ソリューションの生産能力を拡大し、約300人のエンジニアや研究開発要員など新たな雇用を創出する。

同社は2025年にも3,500万ドル超を投資しており、今回の計画は「ローカル・フォー・ローカル(Local-for-Local)」戦略の一環。現在、同社がインド市場で販売する製品・ソリューションの約85%が現地生産によるものという。

■インド拠点を横断する大規模拡張計画

今回の投資は、ABBの主力3部門であるエレクトリフィケーション(Electrification)、モーション(Motion)、オートメーション(Automation)事業にまたがって実施される。インド事業は過去10年で累計2億3,000万ドルを超える投資を受けており、インド国内での製造基盤強化を通じて「世界の生産ハブ」としての地位を高めてきた。

ABB最高経営責任者モーテン・ヴィーロッド(Morten Wierod)氏は、「今回の投資は、エネルギー転換、送電網の近代化、データセンター建設、都市鉄道・高速鉄道の急拡大といった旺盛な需要に応えるもの」と述べ、「インドは当社にとって最も成長著しい市場の一つ」と位置づけた。

■ベンガルール(Bengaluru)地区:ネルマングラとピーニャに重点

南部カルナータカ州ベンガルールでは、ネルマングラ(Nelamangala)第1・第2キャンパスに計1,400万ドルを投資し、電気保護機器やエンクロージャー製品の新シリーズを2026年に投入予定。第1キャンパスでは、持続可能なモビリティ向けコンバータ製造を拡充し、高速鉄道や都市鉄道向け駆動システム、トラクションモーターなど関連製品群を強化する。

一方、建設が進む第2キャンパスでは、無停電電源(UPS)製品の生産能力を10倍に拡大し、整流器、励磁・混合システム、ガス分析装置の新ラインも整備する。
ピーニャ(Peenya)工場には2,100万ドルを投じ、低圧ドライブや防爆モーター、ローラテーブルモーターなど特殊モーターの生産ラインを増設。イノベーションラボやリモート監視・診断施設を併設し、最新のデジタルサービス体制を構築する。

ハイデラバード(Hyderabad)およびナシック(Nashik)
ハイデラバードでは1,200万ドルを投資して、1万2,400平方メートル超の新オフィス兼研究施設へ移転。さらに第2段階として、同社所有地(1万6,630平方メートル)に高出力試験ラボを建設する計画だ。

ナシック(Nashik)工場では2,200万ドルを投入し、屋内外遮断器の増産体制を確立するとともに、真空遮断器(Vacuum Interrupter/VI)工場を拡張。33kV級ガス絶縁開閉装置(GIS)の現地生産化や、SF6フリー技術の内製化を2028年までに進める。

バドーダラ(Vadodara)でも発電機・モーター能力を増強
グジャラート州バドーダラでは600万ドルを投じ、低速同期発電機と誘導モーター工場の生産能力を増強。金属、石油・ガス、セメント、風力など基幹産業向け需要に応える。さらにサービス工場と人材育成センターも増設する。
インド拠点の売上は全体の約4%
ABBインドの2025年売上高は15億ドル超で、グループ全体の約4%を占めた。国内では約1万人の従業員を擁し、25の生産・流通拠点と5つの主要R&Dセンターを展開している。

ABBは電化と自動化分野の世界的なリーディングカンパニーであり、「持続可能で資源効率の高い未来の実現」を掲げる。設立から140年超の歴史を持ち、現在は世界で約11万人を雇用。スイス証券取引所(SIX Swiss Exchange:ABBN)およびナスダック・ストックホルム(Nasdaq Stockholm:ABB)に上場している。

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