・経産省補助事業に採択/撤去橋桁の再利用で低炭素型インフラモデル構築へ
JFEエンジニアリング(東京本社:東京都千代田区)は3月11日、ラオス人民民主共和国で実施する「鋼橋桁リサイクルユース実証(調査)」が、経済産業省の令和6年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)」に採択されたと発表した。撤去された鋼橋桁を補修・補強して再利用する可能性を検証するもので、鋼橋桁の再現設計プロセスを含むリサイクルユース事業としては日本企業初の取り組みとなる。
同事業では、ラオスで橋梁架け替え時に撤去され政府が保管している鋼橋桁を対象に、寸法測定や図面再生、材料試験などの現況調査を実施。補修・補強による再生設計を行い、本設橋や仮設橋として再利用できるかを検証する。さらに、現地での加工・施工性や工程などを検討し、新規鋼橋を調達する場合と比較した経済性や環境性を評価する。事業期間は2026年3月から2027年2月まで。
対象となる鋼橋桁は、同社が2016~2019年に日本の無償資金協力事業として実施した国道9号線のセクムカーム橋、セタームアック橋の架け替え工事で撤去したもので、総延長は約250m。現在はラオス政府が保管している。施工は同社を中心に、ラオスの主要国道の建設・維持管理を担う国営建設会社Road No.8の協力のもと進める。
国道9号線はベトナムからミャンマーへと至る東西経済回廊の一部を構成する幹線道路で、物流や人流を支える重要路線。一方で供用年数の長い橋梁が多く、老朽化が進んでいることから、橋梁更新や補修が重要な課題となっている。
同社はこれまで同路線の橋梁更新事業で独自技術「リバーブリッジ」を採用し、交通安全性と運用安定性の向上に貢献してきた。今回の実証では、既存橋梁の図面がない場合でも現地調査などから設計を復元する「再現設計」の手法を活用し、撤去鋼桁の再利用を検討する。
アジア・大洋州やアフリカの開発途上国には、20世紀初頭から中頃に建設された鋼橋が多数存在し、更新期を迎えている。新設鋼橋はコストや工期の制約が課題となる場合があるため、撤去鋼桁の再利用は資源循環や脱炭素化に加え、効率的なインフラ整備の選択肢として期待される。
同社は実証事業終了後、今回対象とする橋桁の再活用を進めるほか、ラオス国内の類似橋梁や、同様の実証を進めているフィジーなどグローバルサウス地域への展開を視野に入れる。日本の鋼材リサイクル技術の国際標準化と市場拡大を目指し、持続可能で効率的なインフラ開発モデルの構築につなげる考え。
■プロジェクト概要
事業名:鋼橋桁リサイクルユース実証事業(ラオス)
事業主体:JFEエンジニアリング
場所:ラオス人民民主共和国
内容:撤去鋼橋桁(約250m)の現況調査、再現設計、補修・補強による再利用可能性の実証(本設橋/仮設橋)
協力:Road No.8国営建設会社
事業期間:2026年3月~2027年2月
採択制度:経済産業省「令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)」
ニュースリリース
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