ダンフォス、セミクロン・ダンフォスを完全子会社化し電動化事業を強化

ダンフォス(Danfoss):2026年3月10日

デンマークの産業機器メーカー、ダンフォスは、パワーエレクトロニクス大手セミクロン・ダンフォス(Semikron Danfoss)の残り株式を取得し、出資比率を従来の62%から100%へ引き上げて完全子会社化したと発表した。電動化分野の成長戦略を加速するのが狙いで、同社の長期戦略「LEAP 2030」の実行の一環となる。

これまで両社は合弁事業としてセミクロン・ダンフォスを運営してきたが、今回の完全子会社化により、ダンフォスは事業運営の自律性を高め、電動化関連技術への投資を加速する。特に高度なパワーモジュールや産業向け大容量パワーエレクトロニクスソリューションの開発を強化する。

ダンフォスの社長兼CEOであるキム・ファウシング(Kim Fausing)氏は、「当社の戦略『LEAP 2030』では、電動化のような高付加価値分野への投資を優先している。セミクロン・ダンフォスの完全取得により、先進パワーモジュールや産業規模のパワーエレクトロニクス分野で技術リーダーシップへの投資を加速し、顧客価値の最大化につなげる」と述べた。

完全子会社化により、ダンフォスは共同運営体制から単独運営体制へ移行する。これにより、産業用ドライブ、再生可能エネルギー、データセンター、エネルギー貯蔵、オフハイウェイ機械、建設機械、商用車(電動乗用車を除く)などの主要市場向けパワーエレクトロニクス事業をさらに強化する方針。

ダンフォスのパワーエレクトロニクス&ドライブ部門プレジデント、ミカ・クルジュ(Mika Kulju)氏は、「完全所有により戦略の焦点がより明確になる。電動化によって顧客価値が最大化される分野で技術リーダーシップを強化できる」とコメントした。

一方、セミクロン・ダンフォスのプレジデントであるドミニク・ドルフナー(Dominic Dorfner)氏は、「顧客、パートナー、従業員にとって日常業務に変化はない。現在のチーム体制や経営体制のまま事業を継続する」としたうえで、「完全子会社化により意思決定が明確になり、実行力と長期的な価値創出がさらに高まる」と述べた。

セミクロン(SEMIKRON)とダンフォスは2022年3月に統合を発表し、パワーエレクトロニクスおよびパワー半導体モジュールを手掛ける合弁会社セミクロン・ダンフォスを設立していた。統合以降、ダンフォスは同社の技術力や生産能力の強化に継続的な投資を行ってきた。

なお、今回の事業ポートフォリオ見直しの一環として、電動乗用車向けパワーモジュール事業については中核事業ではないと判断。ダンフォスは同事業の売却を検討しており、今後は産業分野およびソリューション事業に経営資源を集中させる。

■セミクロン・ダンフォス(Semikron Danfoss)概要
セミクロン・ダンフォスはパワーエレクトロニクス分野の世界的技術企業。半導体デバイス、パワーモジュール、スタック、システムなどを展開する。自動車、産業機械、再生可能エネルギー向けの電力変換技術を提供し、エネルギー効率の向上とCO₂排出削減に貢献している。技術開発、設備投資、サービス体制への継続的な投資を通じて持続可能な社会の実現を目指している。

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