DMG森精機、東京大学と「MX研究センター」開設、工作機械の技術革新と人材育成を推進

DMG森精機は3月9日、東京大学と共同で「マシニング・トランスフォーメーション研究センター(MXセンター)」を東京大学大学院工学系研究科内に設置すると発表した。開設は4月1日を予定しており、同日、東京大学本郷キャンパスの安田講堂で共同記者会見を行った。工作機械技術の革新とデジタル化を軸に、製造業の高効率化や省エネルギー化、人材不足の解消に取り組み、持続可能な製造業の実現を目指す。

同センターは、DMG森精機が推進する「MX(マシニング・トランスフォーメーション)」の考え方を基盤に、工作機械および加工プロセスの高度化を研究する拠点。機械工学を中心に、精密工学、材料工学、制御工学、数理科学、データサイエンスなどの分野を横断した研究体制を構築し、学術成果の創出と社会実装を一体的に進める。

研究では、切削・研削・積層造形(AM)などの加工プロセスを対象に、加工現象の可視化やモデル化を推進するとともに、工作機械・加工システムの高度化やデジタル技術を活用した設計・制御・運用の高度化に取り組む。さらに、金属加工分野で得られた知見を、エネルギー・発電装置、航空宇宙、医療、半導体などの成長分野にも展開し、高付加価値製品の創出や新産業の創出につなげる考えだ。

DMG森精機は、工程集約や自動化によりGX(グリーン・トランスフォーメーション)を実現し、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって生産工程を高度化するMXを推進している。現在、世界で稼働する工作機械は約500万台とされるが、最先端の工程集約型機械へ置き換えることで、2050年までに約100万台程度に集約できるとの見方を示している。その実現には、継続的な技術革新と人材育成が不可欠としている。

東京大学は基本方針「UTokyo Compass」のもと、社会課題の解決に向けた研究活動を進めており、GXやデジタル技術による社会変革にも注力している。今回のセンターは、企業の寄付を活用する「エンダウメント型研究組織」として設計され、DMG森精機の寄付を原資とする基金の運用益などを財源に、長期的かつ安定的に研究活動を進める。

人材育成面では、両者が連携し、ORT(On the Research Training)やセミナー、インターンシップなどを通じて、高度な技術専門性と俯瞰的な視野を兼ね備えた人材の育成を進める。産業界と連携した研究活動や国内外の大学・研究機関との協働も推進し、研究成果の国際発信や社会実装を進めることで、日本の製造業の国際競争力強化にも貢献する方針だ。

■MX研究センターの概要
名称:マシニング・トランスフォーメーション研究センター(MXセンター)
開設日:2026年4月1日
所属:東京大学大学院工学系研究科(約11名)
主な研究内容:切削・研削・積層造形(AM)などの加工プロセスの可視化・モデル化/工作機械・加工システムの高度化(精度向上、誤差補正、デジタルツインなど)/デジタル技術を活用した設計・制御・運用の高度化
人材育成:ORT(On the Research Training)、セミナー、インターンシップなど
Webサイト:http://www.mtrc.t.u-tokyo.ac.jp

ニュースリリース