日立建機、AIアシスタント試作機Assist ProをCONEXPO 2026で公開

日立建機アメリカ(Hitachi Construction Machinery Americas Inc. ):2026年3月2日

日立建機は3月2日、米国で開催される建設機械展示会「CONEXPO-CON/AGG 2026」で、AIエージェント型アシスタントの試作機「アシスト・プロ(Assist Pro)」を公開すると発表した。AI技術企業ランブラー・エーアイ(Ramblr.ai)との共同開発によるもので、オペレーターや整備技術者、プロジェクトマネージャーなどに対し、スマートフォンから機械操作や技術情報に関するガイダンスを提供する。

Assist ProはiOS向けモバイルアプリとして開発されたマルチモーダルAIアシスタントで、将来的には他のモバイルプラットフォームにも対応する予定。建機の操作マニュアルや技術資料、販促資料、機械や現場の画像、点検動画、解説動画など多様な情報ソースを解析し、質問内容に応じて回答や推奨アクションを生成する。テキスト入力だけでなく音声コマンドによる自然言語を理解し、ユーザーとの会話形式で技術的・運用面の助言を提示する。

Ramblr.aiのローマン・ハーゼンベック(Roman Hasenbeck)CEOは、「Assist Proの開発は日立建機とのより広範な協業の出発点だ。日立建機のエンジニアリング分野でのリーダーシップと将来志向のビジョンに、当社のAIエージェント技術を組み合わせることで、文書や専門家の知見を常時利用可能なAIインテリジェンスへと変革できる。これにより、機械やチーム、グローバル拠点にまたがる運用を支える対話型ガイダンスを提供していく」と述べている。

■スマートフォンでどこでも利用可能

Assist Proはモバイルアプリとして設計されており、キャブ内外を問わず必要な場所で利用できる点が特徴。展示ブースでは、人気機種「ZX210LC-7H」に対応した試作アプリを搭載したスマートフォン2台を展示する。

AIエージェントは機械仕様、技術資料、点検動画、操作解説動画、販売資料、ブランド関連資料など数百に及ぶデータで学習されており、技術文書に明示されていない現場ノウハウなどの暗黙知も含めた回答を提示できる。

■現場での活用シーン
ユーザーは油圧システム「トライアスIII(TRIAS III)」などの部品をスマートフォンで撮影し、他機種との違いを質問するといった利用が可能。整備士などキャブ外で作業するスタッフも、サービスベイからスマートフォンでアシスタントにアクセスできる。

また、プロジェクトマネージャーは机上から機械の能力や仕様を確認でき、資料を探す手間を省ける。質問の内容や複雑さからユーザーの経験レベルを判断し、初心者向けから熟練者向けまで情報の深さを調整する機能も備える。

この技術により、建機レンタル会社では未経験の利用者への操作支援や、新人オペレーターへの日常点検教育などにも活用できるという。

■主な機能
・モバイル端末で利用可能で、キャブ内外の幅広いユーザーがアクセス
・テキスト入力と音声コマンドによる自然言語を理解
・ユーザーが提供した画像を認識し、機械情報や比較データを提示
・ユーザーの熟練度に応じて回答内容を最適化
・スマートフォンの言語設定に対応した多言語利用

今回の取り組みは、日立建機が進める新ブランド「ランドクロス(LANDCROS)」の戦略とも連動する。同ブランドの「O」は「オープン(Open)」を意味し、新興企業や先端技術企業との協業を重視する姿勢を示すもの。また「S」は「ソリューション(Solutions)」を表し、実際の現場課題を解決する技術の提供を目指す。

CONEXPO-CON/AGG 2026では、日立建機ブース(F19012)で来場者がAssist Proを体験でき、AIエージェントがどこからでも作業を支援する新しいサポートツールとして紹介される予定。

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