・CONEXPOで油圧ショベルの自律施工を公開
日立建機アメリカ(Hitachi Construction Machinery Americas Inc. ):2026年3月3日
日立建機は、米国ラスベガスで開催される建設機械展示会「CONEXPO-CON/AGG 2026」で、ロボティクス企業グラビス・ロボティクス(Gravis Robotics)と協業した油圧ショベルの拡張ガイダンスおよび自律施工技術を公開する。ブースでは13トンクラス油圧ショベル「ZX135US-7」を用いたライブデモを行い、有人操作から自律施工へ数分で切り替える様子を来場者参加型で披露する。
今回のデモでは、グラビス・ロボティクスが開発した後付けキット「グラビス・ラック(Gravis Rack)」を搭載したZX135US-7を使用する。同キットは各種センサーを油圧ショベルに追加し、機械の知能化と自律運転を可能にするもの。システムは携帯型タブレット端末「スレート(Slate)」上で動作する操作インターフェース「グラビス・コパイロット(Gravis Copilot)」により制御される。
デモでは、まずオペレーターが掘削作業を教示して溝掘り作業を学習させ、その後、観客の一人が操作を引き継ぎ、機械が自律的に同作業を繰り返す様子を体験できる。
グラビス・ロボティクスのCEOであるライアン・ルーク・ジョンズ博士(Dr. Ryan Luke Johns)は「日立建機は当社のロボット化レトロフィット技術に対し、オープンなインターフェースを提供してくれる優れたパートナーだ。欧州などでの成功に続き、CONEXPOを通じて北米市場でこの技術を紹介できることをうれしく思う」とコメントしている。
■熟練オペレーターの能力を拡張
同技術は二段階のアプローチで開発された。第一段階は、熟練オペレーターの能力を拡張することにある。
グラビス・コパイロットはリアルタイム測量データを活用し、現場の施工状況を瞬時に把握できる。CADデータを取り込むことで、目標地形や作業境界、地下埋設物などを可視化し、キャブ内から拡張現実(AR)で地形情報を確認できる。これにより、紙図面や測定器を使った深さ確認を行うことなく掘削や整地作業が可能となり、生産性向上につながる。
また、安全機能として「デジタルセンサー」による人検知機能を搭載。作業エリアに人が侵入した場合、オペレーターが目視する前に警告を発することで、現場の安全性向上にも寄与する。
■自動化でオペレーターの作業効率を向上
第二段階は、自動化によってオペレーターの作業効率を高める取り組みである。
グラビス・ラックを装着したショベルでは、現場の施工計画を取り込むことで、繰り返し作業や指定された掘削ルートを自律的に実行できる。特に溝掘りのような反復作業では、自律化によって複数のショベルを1人のオペレーターが監督する運用も可能となる。
展示ブースでは、建設機械の操作経験がない来場者でもグラビス・コパイロットを利用してZX135US-7に溝掘り作業を指示し、自律施工を体験できる予定だ。
▽主な機能
・リアルタイム拡張地形表示と埋設物マッピング
・3D人物検知による安全保護
・3D測量および高精度整地
・反復作業の自律施工
・遠隔操作機能
今回の取り組みは、日立建機が今後展開するブランドコンセプト「ランドクロス(LANDCROS)」の一環でもある。同ブランドの頭文字「O」は「Open(オープン)」を意味し、スタートアップや先端技術企業との連携を重視する方針を示す。また「S」は「Solutions(ソリューション)」を表し、実際の現場課題を解決する技術提供を目指すとしている。
CONEXPO-CON/AGG 2026では、日立建機ブース(F19012)において、グラビス・ラックおよびグラビス・コパイロットの実演が予定されている。
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