・STEM分野への女性参画拡大とロボット産業の多様性促進へ
国際ロボット連盟(IFR:International Federation of Robotics):3月5日
国際ロボット連盟(IFR)は3月5日、ロボット産業の発展に貢献する女性を顕彰する「Women in Robotics 2026」を発表し、世界各国から11人を選出した。ロボット分野における女性の活躍を広く紹介し、STEM(科学・技術・工学・数学)分野への女性参画の促進や、企業における多様性の向上につなげることが狙い。
IFRは、男女格差の是正を重要な活動の一つに位置付けている。世界的な人口動態の変化や熟練人材不足が進むなか、女性人材の潜在力を活用することは経済社会にとって不可欠と指摘する。また、企業にとっても多様性の高いチームは生産性や競争力、イノベーションの向上に寄与するとしている。
IFRによると、世界の産業用ロボットの年間設置台数は今後も拡大が続き、2028年には70万台を超える見通し。2025年から2028年までの年平均成長率(CAGR)は約7%と予測されている。こうした急成長分野では、多様な人材の活用が次世代ロボット技術の開発に重要な要素になるという。
IFR事務総長のスザンネ・ビーラー博士(Susanne Bieller)は「急成長するロボット分野において、女性は極めて重要な役割を担っている。多様なチームによる開発は、偏りのないAI技術や次世代ロボットシステムの創出につながる」と述べた。さらに、これらの技術は製造業だけでなく、医療や高齢者ケア、消費者向けサービスなど新たな自動化分野の拡大にも寄与すると指摘した。
一方、世界経済フォーラム(World Economic Forum)が公表した「グローバル・ジェンダーギャップ・レポート2025」によると、世界の労働力人口に占める女性の割合は40%を超えるものの、産業別では差が大きい。消費者サービスや教育、ケア分野では女性比率が50%以上となっているが、製造業では35%未満にとどまり、STEM分野の女性比率も30%未満とされている。
こうした状況を踏まえ、IFRは毎年、ロボット産業で活躍する女性を表彰し、その功績を紹介している。
■「Women in Robotics 2026」の受賞者は次の通り。
・ユンシール・ウム(Younseal Eum)/エイロボット(AeiROBOT)CEO(韓国)
・ステファニア・フェレロ(Stefania Ferrero)/コマウ(Comau)CMO(イタリア)
・クリスティーナ・ヨルゲンセン(Christina Jørgensen)/ユニバーサルロボット(Universal Robots)北・東欧マーケティングマネージャー(デンマーク)
・アリソン・クランペ(Allison Krumpe)/ヘルステック・パートナーズ・グローバル(HealthTech Partners Global)社長(米国)
・ヘンリケ・ノイレン(Henrike Neulen)/イントリンシック(Intrinsic)シニア・ビジネスデベロップメントマネージャー(ドイツ)
・笹尾朝美/川崎重工業 ロボットディビジョン設計部マネージャー(日本)
・クリスティーナ・シュンク(Kristina Schunk)/シュンク・グループ(Schunk Group)CEO(ドイツ)
・ミケル・テイラー(Mikell Taylor)/ゼネラルモーターズ(General Motors)ロボティクス戦略ディレクター(米国)
・スザンネ・ティムショー(Susanne Timsjö)/ABBロボティクス(ABB Robotics)ノルディック地域マネージャー(スウェーデン)
・ダナ・ウォールズ(Dana Whalls)/オートメーション推進協会(Association for Advancing Automation:A3)イベント担当副社長(米国)
・熊蓉(Rong Xiong)教授/アイプラスモボット(IPLUSMOBOT)共同創業者兼チーフサイエンティスト、浙江大学(Zhejiang University)(中国)
IFRは今後、同連盟のウェブサイトで各受賞者の詳細プロフィールを順次公開する予定。キャリアの歩みやロボット分野を志したきっかけなどを紹介し、次世代の女性人材の参入を促していく考え。
ニュースリリース(IFR)
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ニュースリリースhttps://kawasakirobotics.com/jp/news/20260305_ifr/(川崎重工業)
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