日立建機、標高約1,500mの上高地で電動ショベルの試行工事に参画

・寒冷地での稼働性能と充電運用モデルを検証

日立建機は3月6日、環境省が長野県松本市の上高地・ウェストン園地で実施する護岸工事の試行工事に参画し、バッテリー駆動式ショベルと可搬式充電設備を用いた稼働検証を開始したと発表した。標高約1,500mの寒冷地環境での稼働性能や充電運用モデルを検証し、建設施工分野の脱炭素化に向けた電動建機の実用化を探る。

試行工事は3月6日から24日まで実施され、環境省中部地方環境事務所信越自然環境事務所が発注。梓川の護岸工事を対象に、13トンクラスのバッテリー駆動式ショベル「ZE135」と、九州電力と日立建機が共同開発した可搬式充電設備「Go-ENE(ゴーエネ)」を用いて施工を行う。

検証では、標高約1,500mで冬期には氷点下まで気温が下がる寒冷地特有の環境下で、電動ショベルの稼働性能を確認する。一般にリチウムイオン電池は低温時に性能が低下する特性があるため、現場条件に応じた運用方法の確立が課題となっている。

また、国立公園内など定置式充電設備の設置が難しい環境を想定し、可搬式充電設備「Go-ENE」に加え、ベルエナジーのEVベース移動式給電車「MESTA Gen(メスタ・ジェン)」を組み合わせた充電運用モデルも検証する。これにより、電源インフラが限られる施工現場での電動建機の実用性を評価する。

日立建機はこれまで、環境規制が厳しく電動建機の需要が高い欧州市場を中心に、バッテリー駆動式ショベルのラインアップを拡充。特に北欧地域の寒冷地施工での運用経験を蓄積しており、今回の試行でもその知見を活用する。

日本政府は2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロとする「2050年カーボンニュートラル」を掲げ、建設分野でもGX(グリーントランスフォーメーション)政策の下で脱炭素化が進められている。同社は環境省など関係機関と連携し、電動建機を活用したカーボンニュートラル施工の普及を図る方針。

【試行工事の概要】
実施時期:2026年3月6日~3月24日
実施場所:ウェストン園地(長野県松本市)
発注者:環境省 中部地方環境事務所 信越自然環境事務所
作業内容:梓川護岸工事
使用機材:バッテリー駆動式ショベル「ZE135」(0.52㎥クラス)、可搬式充電設備「Go-ENE」、移動式給電車「MESTA Gen」


日立建機は油圧ショベルやホイールローダ、鉱山機械などを展開する建設機械メーカー。新車販売に加え、部品・サービス、再生、レンタル、中古車などのバリューチェーン事業を拡大している。2024年度(2025年3月期)の連結売上収益は1兆3,713億円で、海外売上比率は84%。なお同社は2027年4月1日付で商号を「ランドクロス」、コーポレートブランドを「LANDCROS」に変更する予定。

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