ジョンディア・パワーシステムズ、CONEXPO 2026で新型産業用エンジン「JD5」「JD8」を公開

・次世代エンジンラインアップを拡充

ディア社(Deere & Company):2026年3月3日

ジョンディア・パワーシステムズ(John Deere Power Systems:JDPS)は、米ラスベガスで開催されている建設機械見本市「コネクスポ・コンアグ(CONEXPO-CON/AGG)2026」で、次世代産業用エンジン「JD5」「JD8」を初公開した。両機種は同社の次世代エンジン(Next Generation Engine:NGE)シリーズの新ラインアップとして追加される予定で、OEM顧客向けにより柔軟な動力ソリューションを提供する。

会場では、ディーゼルエンジンの進化、再生可能燃料対応、電動化技術を組み合わせた「マルチパスウェイ(複数経路)戦略」を中心とする展示を行っている。建設機械などオフハイウェイ分野での用途に応じて最適な動力を提供することを狙う。

ジョンディア・パワーシステムズのシニアバイスプレジデント、ピエール・ギヨ(Pierre Guyot)氏は「当社はディーゼル技術の将来に戦略的投資を続けている。次世代エンジンの拡充により、多くの顧客が必要とする高出力基盤を提供すると同時に、バッテリーやハイブリッドの開発も進めている。OEMメーカーは高性能ディーゼルと新しい電動パワーを組み合わせることで、変化する市場環境の中でも柔軟に対応できる」と述べた。

■JD5・JD8エンジン

新たに発表されたJD5とJD8は、中出力帯の産業機械向けエンジンとして開発される。

JD5は排気量5.0リットルで、想定出力は125〜268hp(93〜200kW)。
JD8は排気量7.5リットルで、想定出力は250〜389hp(187〜290kW)となる。

いずれも出力密度と搭載自由度を重視した設計で、建設機械や産業機械の中出力帯アプリケーションに対応する。さらに再生可能ディーゼル燃料やバイオディーゼル混合燃料にも対応する予定。

JD8は2029年に主用途向けの投入を予定しており、その後JD5を展開する計画。最終仕様やスケジュールは開発状況により変更される可能性がある。

■電動化・充電ソリューションも展示

会場では、ジョンディア傘下のクライゼル・エレクトリック(KREISEL Electric)のバッテリー技術も紹介している。展示機種には以下が含まれる。

・KBE.59.750M(年内量産予定)
・KBE.24.450S
・KBE.39.750S
・KBE.39.750C

これらのバッテリーは、セル浸漬冷却技術とソフトウェアを組み合わせた「ダイナミック・パフォーマンス・マネジメント(Dynamic Performance Management)」を採用。極端な温度環境でも効率的に動作し、熱暴走の拡大を防ぐ安全設計を備える。

▽主な特徴は以下の通り。

・モジュール構造によるマルチパック構成
・設置方向を柔軟に選べる設計
・温度分布を抑制して電池寿命を延ばす構造

■建機向け充電インフラも提案

電動建設機械の普及を見据え、ジョンディアは充電インフラのソリューションも展示している。建設現場では電力網が利用できないケースも多いため、同社は定置型とモバイル型の両方の充電システムを開発している。

これには、2025年の「バウマ(bauma)2025」で発表したコンセプトも含まれ、現場で迅速に設置できる柔軟な充電環境の構築を目指す。

また展示会期間中には、ジョンディア・パワーシステムズのプレストン・ムーア(Preston Moore)氏が、電動建機の普及における充電インフラの重要性をテーマとした講演「ザ・ミッシング・リンク:送電網の端での充電インフラとBEV導入(The Missing Link: Charging Infrastructure and BEV Adoption at the Edge of the Grid)」を実施する。

同講演では、遠隔地の建設現場で電動車両を運用するための電源戦略や充電システム、バッテリー運用などについて解説する予定。

ジョンディアは、ディーゼルエンジンの高度化と電動化技術を組み合わせた複合的なパワーソリューションにより、建設現場の次世代動力システムを提案していく考えだ。

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