・戦略「Reach Higher」で収益成長を加速
パルフィンガー(PALFINGER AG)は3月4日、2025年12月期の業績と今後の成長戦略を発表した。売上高は23億4,000万ユーロ(約4,259億円、182円換算)、EBIT(利払い・税引前利益)は1億7,430万ユーロ、最終利益は9,670万ユーロとなり、同社史上3番目の好業績を記録した。フリーキャッシュフローは過去最高の1億8,000万ユーロ超となり、財務体質の強化と収益成長に向けた戦略を加速している。
同社は効率化の推進、顧客・サービス重視の経営、将来市場への投資を通じて、経済環境が大きく分断された状況の中でも堅調な業績を確保した。併せて、新たな中期戦略「Reach Higher」を柱とする「Strategy 2030+」を策定し、その実行体制の整備を進めた。
■強固な財務基盤を構築
2025年は収益力の向上と財務基盤の強化が進んだ。フリーキャッシュフローの増加に加え、純有利子負債を2億ユーロ以上削減。自己資本比率は約43%まで上昇し、強固なバランスシートを構築した。
アンドレアス・クラウザーCEO(Andreas Klauser)は
「非常に献身的なチームの努力により、この成果を達成できた。収益性と変革は相反するものではない。顧客志向、効率性、イノベーションへの集中が当社の長期的な強靭性を支えている」と述べた。
同社は株主還元も継続し、2026年4月8日の株主総会に対し、1株当たり0.90ユーロの配当を提案する予定。
■株式市場での評価も向上
好業績を背景に株価も堅調に推移した。さらに、1億ユーロ規模の自己株式売却を実施し、資本基盤を強化。取引は大きく超過応募となり、浮動株比率は7.5ポイント上昇して43.8%となった。
この結果、ウィーン証券取引所の主要株価指数ATX(Austrian Traded Index)に約16年ぶりに復帰する見通しとなり、株式の市場での認知度向上が期待されている。
フェリックス・シュトロービヒラーCFO(Felix Strohbichler)は
「事業の強さと明確な戦略が市場の信頼につながった。ATX指数への採用は株式の魅力を高める重要なステップだ」と強調した。
■地域別では南欧・北欧が好調
地域別では、欧州で南欧および北欧が堅調だった一方、ドイツ市場はインフラ投資の遅れにより回復が想定を下回った。
北米では、特に通商拡大法232条(Section 232)による関税規制の影響で需要が抑制され、収益性が低下した。
中南米ではアルゼンチンの経済不安やブラジルの需要減があったものの、売上高は過去最高を記録。アジア太平洋地域では中国の景気回復が鈍い一方、インドが成長の牽引役となった。
また、海洋事業(Marine)は洋上風力やクルーズ船向け大型案件を背景に安定した成長を維持した。CIS地域、特にロシアでは景気後退の影響で売上と利益が大きく減少した。
■高収益サービス事業を拡大
新戦略「Reach Higher」では、持続的で収益性の高い成長を実現するため、以下の重点施策を掲げる。
・高収益のサービス事業の拡大
・北米(NAM)やアジア太平洋(APAC)、特にインドでの事業拡大
・生産・サービスネットワークのデジタル化と最適化
■電動化・デジタル化で製品革新
同社は2025年、陸上、海洋、防衛分野でスマートリフティングソリューションを複数投入し、性能、安全性、持続可能性を高めた。
さらに、電動化、ハイブリッド技術、省エネ技術、デジタル化や自律機能の開発にも投資。排出削減と性能向上、コスト効率の改善を両立する製品開発を進めている。
■2026年は収益成長を重視
2026年前半は前年同期をやや上回る水準で推移する見通しで、通期でも前向きな見通しを示した。今後は「Strategy 2030+」の各プログラムの迅速な実行に重点を置く。
クラウザーCEOは
「世界経済が変動する環境でも、世界的な成長トレンドは続いている。すべての地域に機会があり、当社は戦略を着実に実行していく」と述べた。
同社は2030年までの財務目標として、売上高30億ユーロ超、EBITマージン12%、ROCE(投下資本利益率)15%を掲げている。
■パルフィンガーの概要
パルフィンガー(PALFINGER AG)は、クレーンおよびリフティングソリューション分野の世界的メーカー。顧客ニーズを統合型ソリューションとして提供する技術・機械エンジニアリング企業である。
従業員は約1万2,000人、世界30カ所の生産拠点とグローバル販売・サービス網を展開。1999年にウィーン証券取引所に上場している。2025年の売上高は23億4,000万ユーロ。
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