・約75億円投資、AIサーバ需要拡大に対応
パナソニック インダストリー(東京都港区)は3月4日、中国・広州の電子材料生産拠点に約75億円を投じ、多層基板材料「メグトロン(MEGTRON)」の新ラインを増設すると発表した。生成AIの普及に伴い拡大するAIサーバや通信インフラ機器向け需要に対応し、グローバル生産体制の強化を図る。新ラインは2027年4月の稼働開始を予定し、同年度内に量産体制を構築する。
パナソニック インダストリーは、中国・広州市の「パナソニック デバイスマテリアル広州有限公司」に新たな生産ラインを設け、電子回路基板材料の主力製品であるメグトロンの生産能力を増強する。投資額は約75億円。
同工場は、情報通信インフラ機器向け多層基板材料の主要拠点で、ハイエンドサーバ向けの「メグトロン6(MEGTRON6)」から、AIサーバ向け高速伝送に対応した「メグトロン8(MEGTRON8)」まで幅広い製品を生産している。今後はさらに高速伝送に対応する次世代AIサーバ向けメグトロンシリーズの生産拠点としての役割を担う。
今回の増設は、同社が進めるグローバル生産体制強化の一環。2025年9月には東南アジア市場をターゲットとしたタイ・アユタヤ工場の新棟建設を発表しており、今回の広州投資は中国市場向け供給力の拡充を目的とする。
生成AIの普及により、AIサーバや通信インフラ市場は急速に拡大しており、通信データ量の増大に伴ってサーバ、スイッチ、ルータなどの機器では高速・大容量通信への対応が求められている。これに対応する電子回路基板材料には、信号劣化を抑える低伝送損失特性が重要となる。
メグトロンは同社独自の材料・プロセス技術により、業界トップクラスの低伝送損失性能を実現した多層基板材料で、サーバ、ルータ、スーパーコンピュータ、基地局などの高速通信機器のほか、自動車や航空宇宙分野でも採用が広がっている。
同社はメグトロンのグローバル生産能力を2025年度から5年間で約2倍に拡大する計画で、AI関連インフラの拡大に対応するとともに、AI技術の高度化を支える材料供給体制を強化する。
新ラインでは製造プロセスにDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入し、自動化・省人化を推進。生産効率の向上を図り、中国市場の拡大する需要に対応する。
■プロジェクト概要
所在地:18 Lian Yun Rd., East Section of Guangzhou Economic & Technological Development District, China
拠点:パナソニック デバイスマテリアル広州有限公司
投資額:約75億円
生産品目:電子回路基板材料(多層基板材料「メグトロン」シリーズ)
延床面積:約1万6,000㎡(既存ライン共用部含む)
稼働開始:2027年4月予定
特長:製造プロセスのDX導入による自動化・省人化、生産効率向上
なお、メグトロンは2004年に量産を開始した「メグトロン6」がハイエンドサーバ向け低伝送損失多層基板材料の先駆けとなり、「第46回市村産業賞 功績賞」(2014年)、「第62回大河内記念生産賞」(2016年)を受賞している。
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