米キャタピラー、CONEXPOでインテリジェントソリューションを披露、AI・自律化・安全技術を拡充

キャタピラー(Caterpillar):2026年3月1日

キャタピラーは3月1日、米ラスベガスで開催された建設機械展示会「CONEXPO-CON/AGG 2026」において、建設現場の課題解決に向けた包括的なインテリジェントソリューション群を公開した。慢性的な人手不足、安全要求の高度化、限られたリソースでの生産性向上といった業界課題に対応するもので、既存の顧客オペレーションと統合可能な実用技術として展開する。

■フルフリートをつなぐ「ビジョンリンク」

同社の中核アプリケーション「ビジョンリンク(VisionLink™)」は、約160万台の接続資産データを活用し、機械データと運用分析を統合するフリート管理基盤。資産状況の可視化と実行可能なインサイト提供により、顧客の設備投資価値最大化を支援する。

▽今回の主なアップデートは以下の通り。

・ジオタブ(Geotab Inc.)との新たな提携により、オンハイウェイ車両を含むフルフリート管理を実現
・機械のオーバースピードやシートベルト着用状況などの先行安全指標を監視
・イベント映像の統合再生機能により、事故リスクの分析や教育訓練を強化

建機だけでなく、ピックアップトラックやコンクリートミキサー車など多様な資産を単一プラットフォームで管理できる点が特長だ。

■「キャットAIアシスタント」を発表

新たに発表した「キャットAIアシスタント(Cat® AI Assistant™)」は、機械の購入、保守、管理、運用を支援する生成AIベースのソリューション。接続資産データ、取扱説明書、部品カタログ、購買履歴などを横断的に活用し、個別最適化された提案やアドバイスを提供する。

展示会では、既存のキャット(Cat®)アプリケーション上で利用可能な車外向けバージョンに加え、車内統合型プロトタイプも公開。NVIDIA(エヌビディア)のプラットフォームを活用し、音声認識や高度AIモデルによる機械操作支援を実現する。

キャタピラー(Caterpillar)のチーフデジタルオフィサー、オギ・レジッチ(Ogi Redzic)氏は、「キャットAIアシスタントは、キャビン内の副操縦士であり、整備工場での診断パートナー、オフィスでの実行可能なインテリジェンスとなる」と述べ、生産性・効率・安全性向上への貢献を強調した。

■衝突低減システムを強化

安全分野では、新たに「コリジョンミティゲーションシステム(Collision Mitigation System)」を発表。後退時の死角リスク低減を目的とし、統合センサーにより機械後方の3段階ゾーンで人や障害物を検知する。

視覚・聴覚アラートに加え、必要に応じて機械動作を抑制し自動緊急ブレーキを作動。イベントデータや映像はビジョンリンク(VisionLink™)に連携され、長期的な安全傾向分析が可能となる。

■高精度施工と自律化の拡大

「キャットグレード(Cat Grade)」は2D/3D対応の自動制御システムで、丁張り作業や測量負荷を低減。トリンブル(Trimble)、トプコン(Topcon)、ライカ(Leica)システムとの互換性を持ち、他社機への搭載も可能。ビジョンリンクとの連携により、設計データの遠隔配信やドローン測量データ統合、生産性管理にも対応する。

また、30年以上にわたり鉱山分野で培った自律化技術を建設分野へ拡張。オンマシンアシスト機能から遠隔・半自律運転「キャットコマンド(Cat Command)」、さらに完全自律運転まで幅広い選択肢を用意する。

チーフテクノロジーオフィサーのジェイミー・マイナート(Jaime Mineart)氏は、「顧客はより少ない熟練オペレーターで、より多くの作業を安全にこなす必要がある。当社のポートフォリオは、単機のグレードアシストから大規模遠隔操作まで、既存投資を基盤に段階的導入が可能だ」と述べた。

■実演展示で遠隔操作を披露

会場内の「パフォーマンスセンター(Performance Center)」では、フロリダ州ナポリおよびプンタゴルダに設置された「キャット938ホイールローダ(Cat 938)」2台を、展示会場から遠隔操作するデモを実施。また、「キャット745アーティキュレートトラック(Cat 745)」の遠隔操作や、「キャットCS12単鋼輪ローラ(Cat CS12)」による半自律締固め作業もライブで公開した。

キャタピラー(Caterpillar)は、生産性向上と安全強化を両立する実用的な現場ソリューションを提示し、顧客の段階的な技術導入を支援する姿勢を明確にしている。

詳細はキャットディーラーまたは公式サイト(cat.com)で案内している。

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