米キャタピラー、「Cat AP1000/AP1055」アスファルトフィニッシャを刷新

・SDXスクリードに新スムース仕様と衝突被害軽減機能を追加

キャタピラー(Caterpillar):2026年3月1日

キャタピラーは3月1日、ホイール式アスファルトフィニッシャ「Cat AP1000」およびクローラ式「Cat AP1055」の設計を改良し、信頼性・耐久性の向上と保守作業の簡素化を図ったと発表した。あわせて、「Cat SDXスクリードプレートシステム」に新たにスムース(平滑)タイプを追加。さらに、アスファルト締固め向けに衝突被害軽減機能などの先進安全技術も導入した。

■保守性を大幅に改善

舗装現場は高温・粉じん環境に加え、アスファルト材料移送時に微細粒子が冷却系に侵入するなど、機械にとって過酷な条件となる。今回の改良では冷却システムのろ過性能を高めるとともに、油圧チャージポンプの配置変更やリモート式オイルフィルタの採用により、信頼性と整備性を向上させた。

AP1000およびAP1055では、エンジンオイルフィルタとドレンをDEFタンク近傍の左側コンパートメントへ移設。従来はホッパ後部のスイングドアからアクセスする構造だったが、新設計により材料付着やホッパインサートに起因する作業の煩雑さを軽減した。油圧チャージポンプもプロペルポンプスタック部へ移設し、アクセス性と信頼性を高めている。

また、冷却フィンへの微細アスファルト粒子の堆積による温度上昇を抑制するため、オプションのプレフィルタリングシステムを新設定。上部デッキ中央ハウジングに配置された4個の交換式フィルタが微粒子の侵入を防ぐ。さらに、ファンドライブモータをファンブレード下部へ配置し、上方からの清掃性も向上させた。

AP1055は1996年に「モービルトラック式足回り(Mobil-Trac™ Undercarriage)」を搭載した「AP1055B」として登場。ホイール式並みの走行速度とクローラ式の接地性を両立し、現場機動力を高めてきた。2007年のスムースベルト導入や揺動式ボギー設計、電子制御モジュール(ECM)による材料供給の比例制御化、左右切替式デュアルオペレーティングステーションの採用など、継続的な改良を重ねている。2026年は舗装機分野での革新30周年の節目となる。

■長寿命「SDXスクリードプレート」に新仕様

「Cat SDXスクリードプレートシステム」は、高速道路本線舗装から商業施設舗装まで幅広い用途に対応し、所要密度と平坦性を確保しつつ短時間での交換を可能にするモジュラー構造を採用する。

今回、従来のテクスチャード(溝付き)タイプに加え、新たにスムースタイプを追加。テクスチャード仕様は角度付き溝により敷設直後の密度と平滑性向上を促す。一方、スムース仕様は従来型スクリード同様の仕上がり特性を維持しつつ、モジュラー構造による迅速交換と長寿命化のメリットを備える。

SDXプレートはクロム合金材を採用。キャタピラー(Caterpillar)が実施したASTM G65ドライサンドラバーウィール試験に基づく評価では、標準摩耗プレート比で4.2倍、クラッド材採用の延命プレート比で1.2倍の耐摩耗性を示したという(※実際の舗装条件により結果は異なる場合がある)。

プレートは前後のアダプタプレートにかぶせるテーパーブロック一体設計とし、高温用シリコンロッキングバンドで固定。標準ハードウェア点数を削減し、交換時間を最短約4時間に短縮する。

■締固め向け衝突被害軽減機能を搭載

締固め作業時の安全性向上を目的に、「Cat Detect(Cat Detect)―衝突被害軽減システム」を導入。インテリジェントセンサ群により前後方向の衝突警告、人物検知、モーションインヒビット(発進抑制)、自動緊急ブレーキを実現する。

レーダーによる衝突警告は前後の危険領域を監視し、視覚・聴覚アラートでオペレータに通知。スマートカメラを活用した人物検知機能は、機械前後に作業員を検知すると接近距離に応じて警告レベルを変化させる。

モーションインヒビットは、機械停止後2秒以上経過し衝突リスクが検知された場合に発進を抑制。走行中に重大リスクを検知した場合は、オペレータが対応しないと自動緊急ブレーキが作動する。検知が解除されると操作権はオペレータへ戻る。

また、検知イベントはテレマティクスシステム「ビジョンリンク(VisionLink™)」に送信・記録され、危険傾向の分析や安全対策の強化に活用できる。

AP1000およびAP1055、SDXスクリードプレート、締固め向け衝突被害軽減機能の詳細は、キャタピラー販売代理店または公式サイトで確認できる。

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