川崎重工、サウジのAlderley 社と石油・ガス向け遠心圧縮機でサービス連携強化

・水素分野も視野に

川崎重工業は3月4日、サウジアラビアの石油・ガス産業向け計測機器システムインテグレーター、オルダリー・サウジアラビア(Alderley Saudi Arabia、以下ALDERLEY)と、同国における石油・ガス産業向け遠心圧縮機のサービスパートナーシップに関するMOU(覚書)を締結した。現地でのパッケージング業務連携、販売、保守サービスを柱とするもので、中東市場での事業拡大を加速させる。

本覚書は、1月11日にサウジアラビア・リヤドで開催された「サウジ・ジャパン・ミニステリアル・インベストメント・フォーラム(Saudi Japan Ministerial Investment Forum)」の場で締結された。日本側から赤沢経済産業大臣、サウジアラビア側からハーリド・アブドゥルアズィーズ・アル=ファーリハ投資大臣(Khalid Al-Falih)が臨席し、両国の戦略的投資連携の一環として位置付けられる。

川崎重工とALDERLEYは、2025年7月に遠心圧縮機のパッケージ連携に関するMOUを締結済み。今回の合意により、連携は販売・アフターサービス領域まで拡大し、現地での実装フェーズへと移行する。サウジ国内での迅速な対応体制を整備することで、ガス圧送や製油所プロセス用途向け圧縮機の受注拡大を狙う。

近年、AI普及やデータセンター増設を背景に世界的な電力需要は拡大を続ける一方、脱炭素化の潮流も強まっている。エネルギー供給の多様化が進む中、サウジアラビアは国家戦略「ビジョン2030(Vision 2030)」のもと、石油・ガスの安定供給と産業多角化を推進している。川崎重工はこれまで、同国の主要エネルギー企業向けに遠心式ガス圧縮機を多数納入し、サービスを含む包括的なサポート体制で実績と信頼を積み上げてきた。

中東地域は、水素バリューチェーン構築を国家戦略として掲げる国が多く、将来的な水素需要の拡大が見込まれる。川崎重工は現在、純水素向け大型遠心式水素圧縮機の開発を進めており、サウジアラビアをその有力市場の一つとして検討している。今回の現地連携強化は、当面のガス圧縮機需要への対応にとどまらず、水素圧縮機事業の戦略拠点形成を視野に入れた布石ともいえる。

同社は今後も、サウジをはじめとする中東地域の現地企業との協業を深化させ、エネルギー需要増大へのソリューション提供と、水素事業を通じたカーボンニュートラル社会の実現に貢献していく方針。

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