ダンフォス(Danfoss):2026年3月3日
ダンフォスパワーソリューションズ(Danfoss Power Solutions)は、2速アキシャルピストンモーターに遊星減速機を一体化した「BMV統合ドライブモーター(BMV Integrated Drive Motor)」のグローバル展開を開始したと発表した。これまで一部市場に限定して販売していたが、今後は世界市場で提供する。
BMVは、コンパクトトラックローダー(Compact Track Loader:CTL)などのデュアルパス式トラック車両向けに設計された製品。高い耐久性と信頼性を備えたコンパクト設計で、実機での豊富な採用実績を有する。
同製品は、スムーズな起動特性と高い制動トルクが特長。一般的なモーターでは起動時に急激な加速が発生する場合があるが、BMVはポンプの斜板角度にかかわらず滑らかに回転する。高効率のロータリーキットと最適化された減速機構の組み合わせにより、低速域で高トルクを発揮しつつ、精密な動力伝達を実現する。
また、高トルクの多板式パーキングブレーキを内蔵。ブレーキトルクがモーターの最大出力トルクを上回る設計とすることで、確実な停止保持を可能にした。これにより、起動時の制御性と予測可能性を高め、操作性や生産性、機械全体のパフォーマンス向上に寄与する。
構造面では、小型・軽量の一体型パッケージを採用。省スペース設計により、取り付け・取り外しやギアオイル交換を容易にした。ドライブ取付フランジに設けた凹部により、モーター固定ボルトへ外部から直接アクセスでき、機体外側からの整備が可能となっている。
重量面でも競合同クラス製品に比べて軽量化を実現。28/32ccフレームは同等製品比で最大14%、41/51ccフレームは最大13%の軽量化を図り、機械全体の軽量化に貢献する。
BMVは高負荷連続使用が求められるCTL向けに特化して開発され、耐久性と長寿命を重視。堅牢で実績のあるダンフォス製ロータリーキットを採用し、高性能と信頼性を両立する最適形状設計を施した。さらに、デュオコーン式メカニカルシールにより異物侵入を防止し、汚染リスクを低減する。
同製品は日本、韓国、中国で10年以上の使用実績があり、顧客からのフィードバックを基に継続的な改良が重ねられてきた。
フミアキ・エガワ(Fumiaki Egawa)氏(ダイキン・ザウアー・ダンフォス=Daikin-Sauer-Danfoss、グローバルセールスディベロップメントマネージャー)は、「BMVドライブモーターは10年にわたる市場実績を持つ製品であり、十分に検証されている。CTLなどトラック式機械の需要拡大を背景に、今が新市場展開の好機だ。当社は『ソラックスCLM Tモーター(Thorx CLM T motor)』と合わせ、アキシャルピストン+減速機方式とカムローブ方式の双方をOEMに提供できる。多様な機械に最適なトラックドライブ技術を提案する」と述べた。
BMV統合ドライブモーターは2種類のフレームサイズ、4種類の排気量(28cc、32cc、41cc、51cc)を用意。ポート仕様はインチ系・メートル系の双方に対応する。オプションとして、ループフラッシングバルブやPLUS+1®準拠スピードセンサーを設定する。
主な用途は、コンパクトトラックローダーのほか、クローラキャリア/フォワーダー、クローラトラクター、クローラモアなどのクローラ式車両向け。トラック駆動系の高性能化・高耐久化ニーズを背景に、今後の採用拡大が見込まれる。
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