・西日本初、国立大学病院でも初導入
川崎重工業と神戸大学医学部附属病院は3月2日、屋内配送ロボット「FORRO(フォーロ)」の院内運用を3月から開始したと発表した。西日本の病院としては初の導入であり、全国の国立大学病院でも初の採用となる。医療DXの一環として、院内物流の自動化を進め、医療従事者の負担軽減と業務高度化を図る。
日本では高齢化の進展に伴い患者数が増加する一方、労働人口減少により医療従事者の確保が課題となっている。こうした中、神戸大学医学部附属病院は「患者中心の医療の実践」「先進医療の開発と推進」を基本理念に掲げ、特定機能病院・臨床研究中核病院として高度医療を担うとともに、医療DXによる業務合理化や多職種連携による働き方改革を推進している。
今回導入したFORROは、広範囲をセンシングしながら安全かつ安定的に走行する屋内配送ロボット。大学病院特有の広大なフロア構成や人・医療機器の往来が多い環境に対応する設計で、エレベータを利用したフロア間移動にも対応する。これにより、これまで医療従事者が担ってきた検体や物品などの配送業務の一部を代替し、移動時間の削減と業務負荷の軽減を実現する。医療従事者がより専門性の高い業務や患者対応に専念できる体制づくりを後押しする。
エレベータ連携では、日本オーチス・エレベータが提供するクラウド/オンプレミス型APIソリューション「Otis Integrated Dispatch(オーチス・インテグレーテッド・ディスパッチ)」を活用。クラウド経由でFORROとオーチス製エレベータをシームレスに接続した。従来はエレベータ制御基板の改修など大規模な工事が必要だったが、同技術の採用により初期コストを大幅に抑制し、短期間での導入を可能にした。Otis Integrated Dispatchを用いたFORROとエレベータの連携は全国初の取り組みとなる。
FORROは川崎重工業が「ヒトは、ヒトにしかできないことを。」をコンセプトに開発したサービスロボットで、深刻化する労働力不足への対応策の一つとして展開している。医療従事者のパートナーとして機能するだけでなく、患者にも親しみやすい外観デザインを採用している点も特長だ。
両者は今回の取り組みを通じ、ロボット技術を活用した業務プロセスの見直しを進め、医療現場の持続可能性向上を目指す。高度医療・教育・研究を担う大学病院としての機能強化とともに、医療分野におけるサービスロボット活用の先行モデルとして、今後の展開が注目される。
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