・年産1.23万トン、PFAS規制対応で1億ドル投資
クラレ(東京都千代田区)は2月27日、米国子会社カルゴン・カーボン社が、米オハイオ州コロンバス工場において再生炭生産設備を増設すると発表した。増設分の生産能力は年産1万2,300トン、投資額は約1億ドル(約157億円)で、2028年第1四半期の稼働を予定する。米国で拡大する飲料水向け活性炭需要、とりわけPFAS規制強化への対応を見据えた戦略投資となる。
活性炭は瀝青炭やヤシ殻などを原料とする多孔質の炭素材料で、微細孔の構造制御により多様な吸着用途に対応する。近年は水・大気浄化など環境分野での利用が拡大しており、米国では飲料水分野での需要が伸長している。
背景には、米国環境保護庁(EPA)が2024年4月に公布した飲料水中のPFAS(有機フッ素化合物)に関する法的拘束力のある最大許容濃度(MCL)がある。遵守期限は2031年4月で、全米の水道事業体に対応が求められている。PFAS除去技術として活性炭は有力な選択肢の一つであり、安定供給体制の強化が急務となっている。
今回の増設は、飲料用途向け再生炭の供給能力を引き上げることで、米国内の水道事業体におけるPFAS処理ニーズに応えるもの。再生炭は使用済み活性炭を再生処理することで性能を回復させた製品で、資源循環とコスト効率の両立が可能な点も評価されている。
クラレグループは中期経営計画「PASSION 2026」のもと、成長事業への重点投資を進めている。拡大する飲料水市場に対し、グローバルでの生産・再生拠点強化を通じて安定供給体制を拡充し、環境ソリューション企業としての競争力向上を図る考えだ。
<プロジェクト概要>
所在地:米国オハイオ州コロンバス
内容:再生炭生産設備の増設(飲料用途向け)
生産能力:年産12,300トン(増設分)
投資額:約1億ドル(約157億円)
稼働時期:2028年第1四半期予定