三菱重工コンプレッサ、スイスの回転機器メンテ会社AST Turbo AGを買収、海外フィールドサービスを強化

三菱重工コンプレッサ(MCO、広島市西区)は2月27日、スイスの回転機器メンテナンス工事会社ASTターボ(AST Turbo AG)の全株式を取得し、完全子会社化した。ターボ機械のアフターサービス需要が高まる中、欧州・北米・中東を中心とする海外市場でのフィールドサービス体制を強化し、顧客設備の稼働率向上につなげる。

ASTターボは2012年設立。本社はスイス・アルテンドルフ(Altendorf, Switzerland)。石油・ガスなど資源・エネルギー分野で使用されるコンプレッサや駆動用蒸気タービンといった回転機器の保守点検、据え付け、フィールドサービスを主力とする。経験豊富な技術指導員を擁し、欧州、北米、中東などで豊富な工事実績を持つ。

特に強みとするのが、3Dレーザー計測を活用した仮想組み立て技術だ。製品の3Dデータを用いて組み立て工程をコンピューター上で事前にシミュレーションすることで、現地での手戻りや調整作業を最小化。定期検査やオーバーホール期間の短縮を可能とし、プラントのダウンタイム削減と稼働率向上に寄与する。

コンプレッサなどのターボ機械は、消耗部品の交換や定期点検など、据え付け後のアフターサービスが不可欠。近年はエネルギー需要の高まりや設備の高度化を背景に、顧客から定期検査期間の短縮や迅速な部品交換へのニーズが強まっている。これに伴い、仮想組み立て技術の活用や高度な現地指導員の派遣に対する需要も拡大している。

MCOとASTターボは従来から協業関係にあり、フィールドサービス工事で連携してきた。今回の買収後も、ASTターボの現経営陣を中心とする運営体制を維持しつつ、既存の顧客基盤と事業基盤を活用。MCOおよび三菱重工グループが持つ設計・製造・保全の技術力や知見と融合させることで、サービスレベルの一段の高度化と事業拡大を図る。

三菱重工グループは近年、製品販売後のサービス事業を成長分野と位置付け、グローバルでのパートナリングを積極化している。今回の買収もその一環で、社外の専門知見を取り込みながら、自社の技術・製品・サービスを世界市場で拡充する狙いがある。

エネルギー・環境分野での設備安定運用が一段と重視される中、MCOはASTターボの高度エンジニアリング機能を取り込み、ターボ機械のライフサイクル全体を支えるサービス体制を強化する。製品供給から保守・改修まで一貫したサポートを提供し、グローバル顧客への付加価値向上を加速させる方針だ。

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