ユナイテッド・トラクターズ、2025年純利益1兆4,800億ルピア、建機部門はコマツ販売4,515台・市場シェア20%を維持

ユナイテッド・トラクターズ(PT United Tractors Tbk) :2026年2月26日

インドネシアの大手重機・資源企業ユナイテッド・トラクターズ(以下UT)は2月26日、2025年12月期(第4四半期累計)の連結決算を発表した。売上高は前年比2%減の1,313兆ルピア、純利益は同24%減の148兆ルピアとなった。鉱山請負事業の減益や石炭価格下落が響いた。一方で、建設機械部門は販売台数を伸ばし、市場シェア20%を確保するなど底堅さを示した。

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■建設機械部門:コマツ販売増で市場シェア20%、林業・プランテーション向けが牽引

建設機械部門の売上高は前年比2%減の366兆ルピアだったが、主力製品の販売動向は堅調だった。

コマツ(Komatsu)の販売台数は前年比2%増の4,515台となった。特に林業およびプランテーション(農園)向け需要の増加が寄与した。社内市場調査によると、コマツの市場シェアは20%。とりわけ鉱山向けでは引き続き市場リーダーの地位を維持している。

トラック関連では、スカニア(Scania)の販売が436台から466台へ増加した一方、UDトラックス(UD Trucks)は234台から155台へ減少した。

部品・保守サービス売上は3%減の113兆ルピアとなったが、機械販売と合わせた建機部門全体では底堅い需要を背景に大幅な落ち込みは回避した。

インドネシアでは資源価格の変動や鉱山投資の抑制が需要に影響を与える一方、林業・農園向けやインフラ関連需要が下支えしており、UTの建機部門は多角的な顧客基盤によって収益安定性を維持している。

■鉱山請負:降雨影響で減収

鉱山請負事業は、パマペルサダ・ヌサンタラ(PT Pamapersada Nusantara、PAMA)およびカリマンタン・プリマ・ペルサダ(PT Kalimantan Prima Persada、KPP Mining)を通じて展開している。

2025年通期の剥土量は前年比10%減の11億bcmとなった。豪雨の影響や一部契約における剥土比率の低下が要因。顧客向け石炭生産量は1億4,800万トンで前年並み、平均剥土比は7.4倍だった。

同部門の売上高は7%減の541兆ルピアとなり、全体減益の主因となった。

■石炭事業:販売数量増も価格下落が圧迫

石炭事業はトゥア・トゥランガ・アグン(PT Tuah Turangga Agung、Turangga Resources)が運営。

自社炭販売量は前年比14%増の1,160万トン(うち原料炭370万トン)。第三者炭を含む総販売量は9%増の1,430万トンとなった。しかし石炭価格の下落により、売上高は7%減の242兆ルピアだった。

■金・ニッケル事業:金価格上昇が収益押上げ

金およびその他鉱物部門の売上高は41%増の140兆ルピアと大幅増収となった。金価格上昇が寄与した。

金事業はアジンコート・リソーシズ(PT Agincourt Resources、PTAR)およびスンバワ・ジュタラヤ(PT Sumbawa Jutaraya、SJR)が運営。金販売量は合計22.7万オンス(前年比2%減)だった。

ニッケル事業では、スターゲート・パシフィック・リソーシズ(PT Stargate Pasific Resources、SPR)がニッケル鉱石210万wmtを販売。持分法適用会社ニッケル・インダストリーズ(Nickel Industries Limited、NIC)はRKEF製錬設備の減損影響を受けつつも、ニッケル金属9万3,264トンを販売した。

■株式買い戻し・金鉱山買収を実施

UTは2025年10月開始の総額2兆ルピアの自己株式取得を2026年1月14日に完了(6,850万株取得)。さらに2026年1月22日から4月15日まで、最大2兆ルピアの追加買い戻しを実施中。経営陣は中長期的なキャッシュ創出力への自信を示した。

また2026年2月11日には、北スラウェシ州の金鉱山会社アラフラ・スルヤ・アラム(PT Arafura Surya Alam)を100%取得し、金事業を強化した。

■ESG・持続可能経営も推進

グループ各社はインドネシアSDGsアワード2025や国家エネルギー効率賞(PEEN)などを受賞。UT自身もB-Universeよりエコ・イノベーション賞を受け、エネルギー効率化やグリーン技術導入、透明なガバナンス体制が評価された。

■総括

2025年は石炭価格下落や天候要因により減収減益となったものの、建設機械部門はコマツ販売増と市場シェア20%確保により安定感を維持。加えて金事業の拡大や積極的な株主還元策を通じ、ポートフォリオの分散と資本効率向上を進めている。資源価格の動向が引き続き業績のカギを握るが、建機と資源の両輪体制の強化が今後の成長を左右しそうだ。

ニュースリリース
第4四半期レポート