ジョンディア、2027年モデルのコンバイン「X9」「S7」などを刷新、自動化機能を大幅拡充

ディア社(Deere & Company):2026年2月24日

ジョンディア(John Deere)は2月24日、2027年モデルのコンバイン「X9」「S7」シリーズおよび前処理装置(フロントエンド機器)のアップデートを発表した。予測制御や自動化技術を強化し、多様化・高度化する作物条件や圃場環境下での収穫効率、品質、生産性の向上を図る。

同社ハーベスティング部門マーケティングマネージャーのネイサン・クレーマー(Nathan Kramer)氏は、「収穫適期が限られる中での迅速な作業、経験の浅いオペレーターのパフォーマンス向上、高効率かつ高品質な収穫の実現という3つの重要目標達成を支援する」としている。

■収穫設定自動化(Harvest Settings Automation)の強化

「ハーベスト・セッティングス・オートメーション(Harvest Settings Automation)」は、機種、作物種類、位置情報に基づき、コンケーブクリアランス、ファン回転数、ロータ回転数、ふるい(シーブ)開度、チャファー開度の5項目を自動設定する機能。オペレーターが穀粒損失、異物混入率、破砕粒の許容範囲を入力すると、設定値を自動調整し、指定範囲内に維持する。

従来はトウモロコシ、大豆、小麦、大麦、カノーラ、コメに対応していたが、2027年モデルではレンズ豆、エンドウ豆、ライ麦、トリティカーレ、オーツ麦、ヒマワリを追加。対応作物を大幅に拡大した。

■予測走行速度制御(Predictive Ground Speed Automation)の進化

2025年モデルから導入された「プリディクティブ・グラウンド・スピード・オートメーション(Predictive Ground Speed Automation)」は、衛星スキャンやキャビン搭載カメラによる事前・走行中の作物高さやバイオマス測定に基づき走行速度を自動制御する。地形マップを活用し、水路や溝、段畑などの敏感エリアでは自動的に減速するほか、倒伏や雑草密集部もリアルタイム検知し、最適速度に調整する。

2027年モデルでは新機能「グリーン・クロップ・ディテクション(Green Crop Detection)」を搭載。高度なアルゴリズムにより、成熟圃場内の未熟(青立ち)作物を高精度に検知し、より幅広い作物条件下で走行速度を最適化する。

さらに、オペレーターが設定した処理量目標(スループット)と連動させる機能を追加。穀粒品質と走行速度を統合制御し、穀粒損失を許容範囲内に抑えつつ、よりダイナミックな速度調整を実現する。

従来は「収穫設定自動化」と「予測走行速度制御」が独立していたが、2027年モデルでは両システムを緊密に統合。相互に情報連携しながら、より高度な自動制御を行う。

■既存機のアップグレードにも対応

同社は「プレシジョン・アップグレード・コンバイン・オートメーション・パッケージ(Precision Upgrade Combine Automation Packages)」も開始する。2025年モデル以降の「S7」「X9」でセレクト・テクノロジー・パッケージ(Select Technology Package)やプレミアム・テクノロジー・パッケージ(Premium Technology Package)を購入済みの顧客向けに、上位のプレミアム/アルティメット(Ultimate Technology Package)へのアップグレードキットを提供。新機購入なしで高度自動化機能を追加できる。

■X9の主な追加機能

2027年モデルの主な新機能は以下の通り。

・トゥルー・スレッシュ(Tru-Thresh™)コンケーブ
 遠隔でのコンケーブおよびセパレーターグレート調整に対応。ハーフレングス設計により耐久性とモジュール性を向上。

・ハーベストラボ(HarvestLab™)取付準備仕様
 クリーングレインエレベーター部に工場加工済み開口部を設け、後付けを容易化。

・JDリンク・ブースト(JDLink™ Boost)
 衛星通信によりモバイル通信が困難な地域でも接続可能。ジョンディア・オペレーションズ・センター(John Deere Operations Center™)とのリアルタイムデータ連携を実現。

・電動折り畳み式ラダー
 スプレーヤーで採用実績のある電動格納式をオプション設定。

・35フィート(約10.7m)アンローディングオーガ
 従来比約1.22mのクリアランス拡大で、より幅広ヘッダーに対応。

・550ブッシェル大容量グレインタンク
 排出回数を削減し、圃場立ち上げ時の作業効率を向上。強化型ファイナルドライブを採用。

同氏は「2026年の収穫では自動化機能により生産性が20%以上向上し、燃料効率も10%改善した。今回の改良により、厳しい作物・市場環境下でも競争力を維持できる」と述べた。

■コーンヘッドも刷新

前処理装置では、20インチ条間の27条折り畳み式コーンヘッド「CF27」を新設定。2027年モデルではコーンヘッド自動化機能をオプション化し、デッキプレート間隔やバックシャフト回転数を自動制御。生産性向上と穀粒損失低減を図る。

ジョンディアは、農業、建設、林業、パワーシステム分野などで事業を展開する総合機械メーカー。高度自動化とデータ活用を軸に、農業機械のスマート化を加速している。

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