ディア社( Deere & Company):2026年2月24日
ジョンディア(John Deere)は、農家が播種時に求める重要な農学的成功要因である「均一な出芽」「均一な株間」「適正な播種量」「養分供給の最適化」を支援する新たなプランター(播種機)機能を発表した。溝内施肥、播種深度管理、残渣(レジデュー)処理、稼働率向上、物流支援など各分野で技術改良を施している。
プランターおよびエアシーダーのマーケティングマネージャー、アンソニー・スティチンスキー(Anthony Styczinski)氏は「播種はシーズン全体の成否を左右する工程であり、投入資材や種子コストが上昇する中で、種子が最良のスタートを切れる環境を整えることが不可欠だ」と述べた。
■溝内施肥機能の強化
2027年モデルのジョンディア製プランターでは、デュアル製品対応の施肥システムをオプション設定。溝内(in-furrow)および側条(off to the side)への同時施用が可能となり、生育段階に応じた最適な養分供給を実現する。
同システムは「エグザクトショット(ExactShot™)」と「エグザクトレート(ExactRate™)」で構成される。エグザクトショットは溝内で種子直下に養分を正確に供給する方式で、従来比で最大66%の養分削減効果があるという(社内試験による)。一方、エグザクトレートは高付加価値肥料を側条に精密施用する。
システムにはデュアル液体タンクとステンレス製肥料ラインを採用し、ポンプをタンク下部へ再配置。両タンクには残量センサーを装備するほか、薬剤の均一分散を維持する新型撹拌機構も備える。さらに補助タンクの追加により、微量要素、バイオ資材、殺菌剤、殺虫剤などの高付加価値資材の使用にも対応する。
キャブ内ディスプレイでは、2種類の肥料を単一画面で管理可能。施用長さ4インチ設定やマップ表示機能も改良された。
デュアル施肥システムは、2027年モデルの1775NT(16/24条)、DB60(24条)に工場出荷時オプションとして設定される。
■溝品質の最適化
均一な播種深度とクリーンな播種溝は安定出芽の前提条件である。研究では、出芽の均一化により最大20ブッシェル/エーカーの増収効果が確認されているという。
新機能「エグザクトデプス(ExactDepth™)」は電動式播種深度制御で、キャブ内から走行中に深度調整が可能。条単位でのキャリブレーションや圃場・サブゾーン別の可変処方にも対応する。1725C、1775NT、1795、DBシリーズ(36条以下)に設定される。
また、残渣による出芽遅延はトウモロコシ収量を1日当たり平均6%低下させるとされる。これに対応するのが「ファーロービジョン(FurrowVision™)」で、播種溝内に設置した3台のカメラでリアルタイム映像を取得し、深度測定、残渣検出フィルター、品質マップをジョンディア・オペレーションセンター(John Deere Operations Center™)上で確認できる。
さらに「ダウンフォース・オートメーション(Downforce Automation)」をファーロービジョンと連動させ、接地圧を自動最適化。土壌抵抗、接地状態、溝健全度などを総合判断し、最適な下圧を算出することで安定した溝形成と播種精度を確保する。
■播種物流の高度化
播種適期が短期化する中、機械停止時間の最小化が重要となる。ジョンディアはG5アドバンストライセンス対応ユーザー向けに、オペレーションセンター内で利用可能な新機能「ロジスティクス(Logistics)」を追加した。
同機能は機械位置、作業状況、資材残量をリアルタイムで共有し、補給車両の最適配置や圃場内での補給タイミングを事前把握できる。これにより、圃場中央で種子切れを起こすリスクを回避し、作業効率を高める。
同社は、精密農業技術の高度化を通じて播種工程の最適化と投入資材効率の向上を図り、農家の収益最大化を支援する方針である。
■企業概要
ジョンディア(John Deere)は約200年前に鋼製プラウ(鋤)の開発から事業を開始。現在は農業、建設、林業、芝管理、パワーシステムなど幅広い分野で革新技術を展開し、食料・繊維・燃料・インフラ生産を支える総合機械メーカーである。
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