IHIは2月25日、同社が開発を進める舶用4ストロークアンモニア燃料機関が、第60回機械振興賞において最高位にあたる「経済産業大臣賞」を受賞したと発表した。脱炭素社会の実現に向け、次世代燃料として注目されるアンモニアを活用した舶用エンジン技術が高く評価された。
今回受賞したのは、温室効果ガス(GHG)排出削減を目的に開発された4ストローク型アンモニア燃料エンジン。アンモニアは燃焼時にCO₂を排出しないカーボンフリー燃料として期待される一方、着火性の低さや燃焼安定性、N₂O(亜酸化窒素)の排出抑制など技術的課題が指摘されてきた。
IHIはこれらの課題に対し、燃焼制御技術や燃料供給システム、安全対策技術などを高度化。実用化を見据えたエンジンシステムとして完成度を高め、舶用主機・補機用途への展開を可能とした。アンモニアの安定燃焼と高効率運転を両立しつつ、環境負荷低減と安全性確保を図った点が評価された。
海運業界では、国際海事機関(IMO)による温室効果ガス排出削減目標の強化を背景に、重油に代わる次世代燃料への転換が急速に進んでいる。アンモニアは水素キャリアとしての利点に加え、既存インフラとの親和性も一定程度見込まれることから、有力な代替燃料の一つと位置付けられている。
IHIはこれまで、発電分野や産業用ボイラなどでアンモニア燃焼技術の研究開発を進めてきた実績を持つ。今回の舶用4ストローク機関の開発は、同社が推進する資源・エネルギー・環境分野における脱炭素戦略の中核技術の一つとなる。
今後は実証運転や顧客との連携を通じて実用化を加速させ、アンモニア燃料船の普及と海運分野のカーボンニュートラル化に貢献していく方針。
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