・葉かきに続き収穫も自動化、施設園芸へ展開
安川電機は2月25日、JA全農と協業開発を進めてきた「きゅうり収穫作業ロボット」を農業現場に導入し、稼働を開始したと発表した。すでに実証・導入が進んでいる「葉かき作業」自動化に加え、「収穫作業」機能を同一ロボットに組み込み、現場実装を進めることで、施設園芸分野における省力化・自動化を一段と加速させる。
安川電機(福岡県北九州市)は、全国農業協同組合連合会(JA全農)と2018年より業務提携し、「日本の農業の発展と日本の食と農の国際競争力強化」を目的に、畜産・農業生産・流通販売の3分野で自動化技術の活用可能性を検討してきた。
農業生産分野では、2024年に実証農場「ゆめファーム全農SAGA」(佐賀県)へ、きゅうりの葉かき作業を自動化するロボットを導入。今回、新たに収穫作業でも一定の成果を確認し、葉かき機能と収穫機能を統合した「きゅうり収穫ロボット」として現地導入を実施した。
近年、農業現場では担い手不足が深刻化し、作業の自動化・省力化は喫緊の課題となっている。とりわけ施設園芸における収穫作業は労働負荷が高く、作業時間も長時間に及ぶことから、安定した自動化技術の確立が求められてきた。
きゅうりの収穫では、出荷規格に適合した大きさの果実を見極める判断力に加え、茎やつる、葉が複雑に入り組んだ栽培環境の中から果実を傷つけることなく摘み取り、コンテナに収納する繊細な動作が必要となる。さらに、温度や湿度、日射など環境条件が場所や時期によって大きく変動するため、従来はロボットによる安定稼働の実現が難しいとされてきた。
今回の開発では、人の収穫作業における判断や動作の“曖昧さ”をデータ化し、状況に応じてロボットが最適な動作を選択する制御技術を確立。安川電機が培ってきた産業用ロボットおよびモーション制御技術を応用することで、収穫率を向上させ、実用化の目途を立てた。
これにより、葉かきから収穫までを1台で担う統合型ロボットとして現場の負担軽減に寄与する。慢性的な人手不足への対応だけでなく、作業品質の平準化や労務管理負担の低減にもつながるとみられる。
今後は、トマトやナスなど他の施設園芸作物への水平展開を推進する方針だ。JA全農との連携を継続し、農業分野における自動化技術の高度化を通じて、日本農業の持続的発展と食の安定供給への貢献を目指す。
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