英国建設機械協会(CEA:Construction Equipment Association):2026年2月
英国の建設機械業界団体である建設機械協会(CEA)はこのほど、2025年版アニュアルレビューを公表した。市場動向では、英国建機販売が直近12カ月(2025年9月まで)で2万9,400台超となり、前年同期比約6%増と回復基調を示した。一方で、輸出減速や予算不透明感など、先行きには慎重な見方も残る。
■英建機販売、上期堅調で6%増
CEAによると、2024年第4四半期は前年同期比1.5%減と一時的に落ち込んだものの、2025年に入り第1~第3四半期は増加基調に転じた。業界特有の季節変動パターンの範囲内としつつ、春先以降の回復継続に期待を示している。
製品別では、建設向けテレハンドラーが最も伸長し、前年同期比15%増と好調を維持。続いて油圧ショベルが同10%増と堅調だった。現場の効率化・多用途化ニーズを背景に、中核機種の更新需要が市場を下支えしている。
地域別では北アイルランドが突出し、年初来3四半期で前年同期比約39%増と大幅な伸びを記録。他地域を大きく上回る水準となった。
■建設投資は小幅成長も予測は下方修正
英国の建設アウトプットは、2025年1~8月で前年同期比1.5%増と緩やかな拡大を示す。ただし、建設製品協会(シーピーエー:Construction Products Association)が公表した秋季予測では、2025年通年の伸び率は1.1%にとどまる見通しで、前回予測から下方修正された。
さらに2026年見通しも3.7%増から2.8%増へ引き下げられた。背景には直近の予算発表を巡る業界の不透明感や投資判断の慎重化があるとみられる。
■輸出は15%減、米国依存に課題
通関統計によると、2025年上期の建機輸入量(重量ベース)は前年同期並みを維持した一方、輸出は同15%減少した。とりわけ最大輸出市場である米国向けは、2025年に約19%減少している。
CEAは、いわゆる「セクション232」問題や関税議論を巡り、英国政府およびビジネス・通商省(Department for Business and Trade)と協議を継続。自動車産業のような数量枠型合意の可能性も含め、長期的安定性を確保する枠組みを求めている。
■規制整合と産業戦略を後押し
政策面では、英国と欧州連合(EU)の製品規制を可能な限り整合させる政府方針を確保した点を成果として挙げた。規制乖離によるコスト増や二重認証の回避が狙いで、メーカーの競争力維持につながる。
また、CEAが2024年に公表したマニフェストの中核提言である「英国産業戦略」の策定が政府により打ち出されたことも大きな前進と評価。長期的な投資環境の安定化が期待される。
■CECE議長国へ、国際発信強化
2026年には英国が欧州建機委員会(CECE:Committee for European Construction Equipment)の議長国を務める。10月にはロンドンでCECEコングレスを開催予定で、持続可能性、デジタル化、市場アクセスなどを主要議題とする。
英国建機市場は緩やかな回復軌道にあるものの、輸出環境や投資マインドの不透明感が重石となる構図だ。CEAは市場データ提供や政策提言を通じ、規制整合、税制改善、人材育成など包括的な競争力強化を図る方針を示している。
2026年に向け、内需の底堅さを維持しつつ、輸出回復の足がかりを築けるかが焦点となる。