・最終用途審査を厳格化、軍事関連用途は不許可
中国商務部は2月24日、公告2026年第12号を公布し、スバル(SUBARU Corporation)をはじめとする日本の20法人を「関心リスト」に追加したと発表した。二重用途(デュアルユース)品目の最終ユーザーおよび最終用途を確認できないことが理由としている。同日付で施行した。
今回の措置は、「中華人民共和国輸出管制法」および「中華人民共和国両用物項輸出管制条例」など関連法規に基づくもの。公告によると、輸出事業者が当該20法人向けに二重用途品目を輸出する場合、一般許可の申請や登録による輸出証明の取得は認められない。
個別許可を申請する際には、関心リスト掲載先に対するリスク評価報告書の提出が義務付けられ、さらに「日本の軍事力向上に資するいかなる用途にも二重用途品目を使用しない」との書面による誓約が求められる。加えて、許可審査期間は通常の法定期限(両用物項輸出管制条例第17条第1項)に制限されないとしており、実質的に審査の長期化も想定される。
商務部は今後、関心リスト掲載先向けの二重用途品目輸出について、最終ユーザーおよび最終用途の審査を一段と厳格化する。日本の軍事ユーザーや軍事用途、または日本の軍事力向上に寄与するあらゆる用途に関わる輸出は承認しない方針を明確にした。
一方で、関心リストに掲載された法人が「両用物項輸出管制条例」第26条に基づき、当局の確認作業に協力するなど所定の義務を履行した場合、リストからの削除を申請できる。商務部が確認後、削除を認める可能性があるとしている。
機械・素材・電機関連大手が対象
今回、関心リストに追加されたのは以下の20法人。
1. スバル(SUBARU Corporation)
2. フジ・エアロスペース・テクノロジー(FUJI Aerospace Technology Co., Ltd.)
3. エネオス(ENEOS Corporation)
4. ユソーキ(Yusoki Co., Ltd.)
5. 伊藤忠航空(ITOCHU Aviation Co., Ltd.)
6. リーダ・グループ・ホールディングス(Leda Group Holdings Co., Ltd.)
7. 東京科学大学(Institute of Science Tokyo)
8. 三菱マテリアル(Mitsubishi Materials Corporation)
9. ASPP(ASPP Co., Ltd.)
10. 八洲電機(Yashima Denki Co., Ltd.)
11. 住友重機械工業(Sumitomo Heavy Industries, Ltd.)
12. TDK(TDK Corporation)
13. 三井物産エアロスペース(Mitsui Bussan Aerospace Co., Ltd.)
14. 日野自動車(Hino Motors, Ltd.)
15. トーキン(Tokin Corporation)
16. 日新電機(Nissin Electric Co., Ltd.)
17. サンテクトロ(Sun Tectro Co., Ltd.)
18. 日東電工(Nitto Denko Corporation)
19. 日油(NOF Corporation)
20. ナカライテスク(Nacalai Tesque, Inc.)
航空宇宙、自動車、重機、電機材料、化学品など、機械産業と関わりの深い企業が幅広く含まれている点が特徴だ。
日中間のハイテク・機械分野の取引に影響も
二重用途品目には、高機能材料、精密機械部品、半導体関連装置・部材、電力・制御機器などが含まれる。今回の措置により、中国からの関連部材・素材の調達や技術協力に一定の制約が生じる可能性がある。
とりわけ、住友重機械工業、三菱マテリアル、TDK、日東電工などは産業機械や電子材料分野で中国市場との関係が深い。今後、個別許可取得の手続きや審査の厳格化がサプライチェーンや納期に与える影響が注目される。
中国側は「軍事力向上に資する用途」を強く警戒する姿勢を示しており、機械・素材分野を含むハイテク領域での日中間の輸出管理を巡る緊張が、企業活動にどのような影響を及ぼすか、引き続き動向を注視する必要がある。