中国の機械工業、2025年は8.2%増で安定成長、自動車・ロボット・クリーンエネルギー装備が牽引

・「第14次5カ年計画」の目標を完遂、2026年は主要指標5.5%前後の成長を予測

中国機床工具工業協会:2026年2月9日より抜粋

■総論:安定の中に前進、2025年を総括

2025年、中国機械工業は国家の「両重(重要プロジェクト・重点分野への投資)」「両新(設備更新・消費財買い替え)」をはじめとする一連の景気下支え政策に支えられ、経済運営は「安定の中に前進」の基調を維持した。第1四半期に好スタートを切り、第2四半期は関税変動の影響で伸びが一時鈍化したものの迅速に回復。第3・第4四半期も高水準での緩やかな鈍化傾向を続けつつ、通年では比較的高い成長を実現した。

■主要経済指標
・生産・付加価値
2025年、機械工業規模以上企業の増加値(付加価値額)は前年比8.2%増を達成。全国工業平均を2.3ポイント、製造業平均を1.8ポイント上回った。

・主要5業種の内訳は次の通り。

主要5業種の内訳は次の通り。自動車製造業が前年比11.5%増と最も高い伸びを示し、電気機械製造業が9.2%増、汎用設備製造業が8.0%増でこれに続いた。計測機器製造業は6.1%増、専用設備製造業は4.3%増と比較的堅調な伸びを維持した。

・生産・販売動向
重点モニタリング122品目のうち85品目(69.7%)が前年比増産を達成し、前年より13品目拡大した。主要品目の動向は以下の通り。
自動車は生産台数3,453万台(前年比+10.4%)、販売台数3,440万台(同+9.4%)でともに過去最高を更新。17年連続で世界首位を維持した。
電力機器では発電機セット産量3.7億kW(同+37.6%)、太陽電池産量8.3億kW(同+7.6%)と大幅に拡大。
加工装備では金属切削工作機械が86.8万台(同+9.7%)、産業用ロボットが77.3万セット(同+28.0%)で過去最高を記録した。
建設機械では油圧ショベルが23.5万台(同+17.0%)、ホイールローダーが12.8万台(同+18.4%)と販売が回復し、いずれも前年比で10ポイント以上伸び率が加速した。
一方、冶金設備・石油化学設備・一部の環境設備は下流産業の調整の影響を受け、生産は依然として低調であった。

・売上高・利益
規模以上企業の営業収入は33.2兆元(前年比+6.0%)と過去最高を更新。全国工業平均を4.9ポイント上回った。利益総額は1.7兆元(同+5.9%増)と前年の減少から増加に転じ、全国工業平均を5.3ポイント上回った。営業収入・利益総額の全国工業に占めるシェアはそれぞれ23.9%・23.1%と、前年比1.1ポイント・1.2ポイント拡大した。

・対外貿易
貿易総額は1.27兆ドル(前年比+8.4%)*さと過去最高を更新。内訳は輸出9,868億ドル(同+13.5%)、輸入2,800億ドル(同▲6.6%)で、貿易黒字は7,068億ドル(同+24.1%)に拡大した。

地域別では「一帯一路」共同建設国向けが同+24.7%、東南アジア向けが+23.4%、EU向けが+17.1%と多様化が進む一方、対米輸出は同▲11.7%、対露輸出は同▲20.6%と減少した。

・景況感指数
2025年末時点の機械工業景気指数は104.3(前年末比+1.2ポイント)で、通年を通じて景気拡張域を維持した。分類指数では、価格指数(98.6)のみが基準値(100)を下回った。

■課題と留意点
・設備投資の減少と業種間格差
固定資産投資は前年比▲2.3%と前年の伸びからマイナスに転落。自動車(+11.7%)・汎用設備(+6.2%)は増加を維持した一方、電気機械(▲10.3%)・計測機器(▲17.7%)・専用設備(▲7.1%)は大幅に減少し、業種間格差が鮮明となった。

・出荷価格の継続的下落
機械工業製品の出荷価格は35カ月連続で前年比マイナス(2025年12月:同▲1.5%)。過剰な競争(いわゆる「内巻=値下げ競争」)が業界の収益率を圧迫している。2025年の営業収入利益率は5.14%と前年より0.04ポイント低下した。

・売掛金の膨張と回収期間の長期化
2025年末の売掛金残高は9.9兆元(前年比+7.1%)で、全国工業の売掛金合計の36.0%を占める。平均回収期間は100.1日と前年より2.4日延長しており、全国工業平均を32.2日上回る。重機・鉱山機械や建設機械では150日超のケースも多く、キャッシュフロー管理が喫緊の課題となっている。

■「第14次5カ年計画」期間(2021〜2025年)の総括

5カ年計画の最終年を迎え、機械工業は主要目標を完遂した。
∙ 増加値年平均成長率:7.4%(全国工業平均を1.5ポイント上回る)
∙ 規模以上企業数:13.7万社(年平均+8.3%)
∙ 総資産:42兆元(年平均+8.8%)
∙ 輸出額の対全国輸出シェア:18.0%→26.2%へ拡大
新エネルギー自動車は2025年に生産1,663万台・販売1,649万台と2020年比で12倍以上に急拡大し、市場浸透率は5.4%から47.9%へと飛躍的に向上。風力発電機セットの累計産量は5カ年で2.9倍増に達した。産業用ロボット・スマート農業機械・知能コネクテッドカーなど先進装備分野の国際競争力も大幅に強化された。

■2026年の見通し
・リスク要因
国際情勢の緊迫化、地政学的リスクの高まり、関税摩擦の激化など外部環境の不確実性は引き続き高い。国内では供給過剰・需要不足の構造的矛盾と過当競争による価格下落圧力が残存する。

・追い風要因
一方、以下の好材料も確認されている。①新型電力システムの整備加速、農業機械化の進展など内需の底堅さ。②設備更新・消費財買い替えなど国内超大規模市場の需要喚起。③グリーン・デジタルトランスフォーメーションが牽引する高付加価値装備への需要シフト。④海外現地生産の本格化など企業のグローバル展開の深化。

・総合予測
機械工業全体としては2026年も安定した運営を維持し、主要指標の年間伸び率は5.5%前後を予測。「第15次5カ年計画(2026〜2030年)」の好スタートに貢献することが期待されている。

【データ出典】付加価値・産量・投資・価格・収益:国家統計局、貿易データ:税関総署、電力設備データ:国家能源局、景気指数:中国机械工業聯合会、自動車産販データ:中国汽車工業協会、建設機械販売データ:中国工程機械工業協会

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