ユングハインリッヒ(Jungheinrich):20262月19日
ユングハインリッヒは2月19日、高揚程搬送用途に対応する自律型モバイルロボット「EAC 212a」を発表した。物流および生産現場における高揚程搬送作業の自動化ニーズに応えるもので、2026年下期の市場投入を予定している。
EAC 212aは、最大積載質量1,200kg、最高走行速度6km/hの性能を備え、床置き保管エリアやコンベヤシステム、バッファレーン間でパレットやスチレージ(かご台車等)の搬送を行う。自動倉庫(AS/RS:Automated Storage and Retrieval Systems)との接続も可能で、搬送ポイントにおける人手介在を削減し、工程安定性と設備稼働率の向上を図る。
同社プロダクトマネージャーのヨナス・ラートケ=ペイン(Jonas Radtke-Payne)氏は、「EAC 212aの投入により、高揚程用途向けの自律ソリューションをポートフォリオに加えた。入出庫工程の完全自動化を実現し、人為的ミスや手作業の介在を大幅に低減できる」とコメントしている。
■AI搭載3Dパレット検知で工程安定性を向上
高揚程用途では、荷役精度がシステム全体の安定性を左右する。EAC 212aはAIベースの3Dパレット検知機能を搭載し、位置ずれ±100mm、ねじれ±10度まで自動補正する。手作業で設置されたパレットが所定位置からずれている場合でも正確に認識・搬送でき、想定外停止の抑制と生産性向上に寄与する。
ラートケ=ペイン氏は、「実環境下での信頼性確保が重要であり、とくに手動作業と混在する現場においては安定稼働の決定的要素となる」と強調する。
■レイアウト変更不要の導入設計
同機はLiDARセンサーを用いた輪郭ベースの自律ナビゲーションを採用。既存環境の自然形状をマッピングして走行するため、人工マーカーの設置や倉庫レイアウトの構造変更を必要としない。これにより、導入リードタイムの短縮や初期投資抑制を実現する。
さらに、VDA 5050規格に対応し、上位制御システムやホストシステムとの統合も容易。交通エリアやプロセスロジックの変更にも柔軟に対応できる。
■人協働環境に対応する安全設計
EAC 212aは人や手動フォークリフトと混在する環境での運用を前提に設計されている。360度安全センサーシステムにより周囲を常時監視し、進行方向に高さ70mm以上の障害物を検知すると自律的に回避動作を行う。
高頻度稼働の物流・生産現場においても安全性と搬送安定性を確保する。車両本体には直感的なユーザーインターフェースを備えたディスプレイを搭載し、現場での迅速なトラブル対応を可能にする。
■自動機会充電で高稼働率を実現
電源には130Ahのリチウムイオンバッテリーを内蔵。自動機会充電(オポチュニティチャージング)機能により、作業間の短時間停止時に自律的に充電ステーションへ移動し、充電後は自動で作業に復帰する。これにより実稼働時間を最大化し、フリート全体の運用効率と計画信頼性を高める。
■スケーラブル設計で将来拡張に対応
EAC 212aは拡張性を重視した設計となっており、少数台での導入から段階的な増設が可能。OTA(Over-the-Air)による機能アップデートにも対応し、新たな用途追加や性能向上を継続的に図る。
同社は、「自動化は顧客の成長に合わせて拡張できるものでなければならない。EAC 212aは将来を見据えたスケーラブルなソリューションだ」としている。
高精度荷役、知能化ナビゲーション、高積載性能を組み合わせたEAC 212aは、高揚程工程の安全・効率的な自動化を志向する企業に向けた技術的に堅牢な選択肢となる。
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