荏原製作所、JAXAと深宇宙OTV向け電動ポンプを共同研究

・電動ターボポンプの性能評価を実施、宇宙OTV市場への参入を視野

荏原製作所は2月10日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、月や火星などの深宇宙を対象とする軌道間輸送機(OTV:Orbital Transfer Vehicle)向け電動ポンプの性能検証・開発に関する共同研究を実施すると発表した。2025年12月26日付で共同研究契約を締結しており、宇宙分野における製品ポートフォリオの拡充と、成長が見込まれるOTV市場への参入を見据える。

深宇宙探査では、数年に及ぶ長期航行が必要となることから、地球近傍の宇宙活動に比べてコストやリソース負担が大きい。このためJAXAでは、複数の衛星や探査機、物資などを一度に目的の軌道へ輸送できるOTVの活用を想定している。一方で、OTVの実用化には、将来的な探査機の再使用を前提としたインフラ構築が課題とされている。

こうした中、OTVに搭載される推進系では、簡素なエンジンシステム構成と出力制御の容易さが求められており、電動ポンプの採用が検討されている。荏原は、ロケットエンジン用電動ターボポンプやスラスター向けポンプの開発を通じて培ってきた宇宙向けポンプ技術を有しており、これらをOTV用途に最適化することで、開発の加速を図る。

共同研究では、OTVへの適用を想定した小型電動ターボポンプの基本特性を評価することを目的に、水流し試験を実施する。

▽主な研究概要は以下の通り。
件名:深宇宙輸送機へ適用する小型電動ターボポンプの基礎特性の評価
契約日:2025年12月26日
履行期限:2026年3月31日

荏原は今回の共同研究を通じてJAXAとの連携を強化し、将来のOTV開発における技術パートナーとしての地位確立を目指す。まずは評価試験で得られる知見をもとに技術の確立を進め、将来的には幅広いOTVメーカーを含む顧客への技術展開を図る方針だ。

同社は、宇宙分野を成長領域の一つと位置付けており、今回の取り組みを通じて関連技術・製品のラインアップを拡充するとともに、宇宙輸送インフラ市場での存在感を高めていく考え。

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