タダノ、25年12月期売上は19.9%増の3,494億円、26年12月期予想は14.5%増の4,000億円

タダノが2月10日に発表した2025年12月期(1~12月)連結業績によると、売上高は3,494億7,700万円(前期比119.9%)、海外売上高比率は64.1%となった。うち日本向け売上高は、建設用クレーンが減少したものの、車両搭載型クレーン・高所作業車が増加し、また、IHI運搬機械株式会社の運搬システム事業(現:株式会社タダノインフラソリューションズ、以下TIS)買収に伴う運搬機械の売上も加わり、1,254億2,600万円(114.2%)となった。海外向け売上高は、米国Manitex International, Inc.(以下、「Manitex社」)の買収もあり、北米・欧州を中心に増加し、2,240億5,000万円(123.3%)となった。

売上が増加したものの、米国通商政策による影響や買収関連費用等の計上もあり、営業利益は185億5,200万円(78.0%)、経常利益は150億9,600万円(71.6%)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産売却益等を計上したことにより182億9,800万円(275.5%)となった。

タダノ2025年通期データ

2025年12月期におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する中、各種政策効果もあり、緩やかに回復した。海外においても、一部地域に足踏みがみられるものの、景気は緩やかに回復した。
一方で、米国通商政策による影響や地政学的リスクの高まり等により、先行き不透明感が増す中、世界経済の下振れが懸念される。
タダノの関連業界では、日本ではオペレーター不足や資材高騰の影響等により中小規模の工事が減少し、需要は減少した。海外においては、北米では関税動向見極めによる出荷延期影響はあったが、データセンター投資等が需要を下支えし、販売は堅調だった。欧州では最大市場であるドイツ等欧州諸国での景気悪化による新規投資控えにより需要は減少した。

2025年1月には、Manitex社の買収手続きが完了した。同社の買収により、タダノグループの主要3品目である「建設用クレーン・車両搭載型クレーン・高所作業車」のうち、車両搭載型クレーン・高所作業車のグローバルビジネス拡大につながり、将来的には、よりバランスの取れたポートフォリオ構成となることを期待している。

また、2025年7月には、TIS(旧:IHI運搬機械株式会社の運搬システム事業)の買収が完了した。タダノグループは「移動式クレーン」の分野では長い歴史とグローバルでの販売実績を有しているが、「定置式クレーン(港湾クレーン・タワークレーン)」は新たな製品群となる。当社グループがドイツで生産する「ラチスブーム式クローラクレーン」とも親和性があり、世界中でニーズが高まっている洋上風力分野においても今後の活躍が期待される「リングリフトクレーン」も有している。

■セグメント別の状況
※セグメント別とは、タダノ及び連結対象子会社の所在地別の売上高・営業利益であり、仕向地別売上高とは異なる。

1)日本: 建設用クレーン・車両搭載型クレーンが減少したものの、高所作業車が増加、また、TIS買収に伴う運搬機械の売上も加わり、売上高は2,134億2,700万円(前期比108.9%)、買収関連費用等の計上もあり、営業利益は201億6,900万円(74.2%)となった。

2)欧州: 建設用クレーンの売上が増加、Manitex社買収による車両搭載型クレーン・高所作業車の売上も加わり、売上高は1,076億8,300万円(137.6%)、営業利益は32億7,800万円の損失(前期115億2,600万円の営業損失)となった。

3)米州: 建設用クレーンの売上が増加、Manitex社買収による車両搭載型クレーン・高所作業車の売上も加わり、売上高は1,416億2,300万円(135.2%)、買収関連費用等の計上もあり、営業利益は25億1,500万円(38.8%)となった。

4)オセアニア: 主に建設用クレーンの売上が減少し、売上高は107億7,700万円(68.6%)、営業利益は4億7,800万円(35.7%)となった。

5)その他: TIS買収に伴う運搬機械の売上が加わり、売上高は78億8,800万円(105.4%)、営業利益は3億8,700万円(62.8%)となった。

■主要品目別の状況
1)建設用クレーン: 日本向け売上高は、大規模工事が実施・計画されているものの、慢性的なオペレーター不足や資材価格高騰の影響等もあり、480億400万円(95.9%)となった。海外向け売上高は、一部地域を除き、ここ数年の急速な需要増加基調に落ち着きが見え始める中、販売に注力した結果、1,591億2,800万円(106.6%)となった。
この結果、建設用クレーンの売上高は2,071億3,300万円(103.9%)となった。

2)車両搭載型クレーン: 日本向け売上高は、トラック登録台数が減少する中、架装能力向上により176億2,400万円(100.8%)となった。海外向け売上高は、Manitex社買収による売上も加わり、228億8,000万円(1,169.2%)となった。
この結果、車両搭載型クレーンの売上高は405億500万円(208.4%)となった。

3)高所作業車: 日本向け売上高は、レンタル向け販売が好調に推移し、241億7,300万円(106.3%)となった。海外向け売上高は、Manitex社買収による売上も加わり、58億8,000万円(379.7%)となった。
この結果、高所作業車の売上高は300億5,300万円(123.8%)となった。

4)運搬機械: 運搬機械の売上高は、TIS買収により、55億700万円(前期比−%)となった。
5)その他: 部品、修理、中古車等のその他の売上高は、TIS買収もあり、662億7,700万円(136.7%)となった。

■次期の見通し
タダノグループは、2026年度を最終年度とする「中期経営計画(24-26)」において、「Reaching new heights 新たなステージへ」をスローガンに、業界のリーディングカンパニーとして、お客様の安全と地球環境に配慮した新たな価値を提供するための戦略を推進している。

成長戦略の骨子として、(1)脱炭素化を加速、(2)新たな領域への挑戦、(3)強みを活かしたものづくり改革、(4)変革を支える足場固め、を掲げると同時に、持続的な成長に向けた「資本コストや株価を意識した経営」と「サステナビリティ課題への対応」を重視し、「世界にそして未来に誇れる企業」を目指す。

米国の政策動向による世界の政治・経済への影響や中国・欧州経済の先行き不透明感に加え、地政学的リスクの高まり等もあり、先行き不透明感が増している。

タダノグループを取り巻く市場環境については、日本では、住宅関連などの民間工事に弱さが見られるものの、公共投資は堅調に推移し、需要を下支えすることが見込まれる。海外では、政権先行きに不安はありながらも米国経済は堅調に推移するとみる一方で、欧州経済の回復遅れや、油価下落の影響が懸念される中東は停滞が見込まれ、全体として弱含みで推移すると想定している。

原材料価格の上昇は落ち着きつつあるものの、米国関税政策影響や人件費を中心にコスト増加が続くため、製品価格の見直し等により利益確保を図る。あわせて、直近3件の買収で獲得した新事業・新製品の成長加速、政府の造船業再生戦略を追い風とした造船向け製品の生産・販売強化、並びに当社事業の根幹を支える生産体制再構築等、持続的成長に向けた投資を計画している。

■ 2026年12月期の連結業績予想
2026年12月期の連結業績予想については以下のとおり。

売上高4,000億円(前期比114.5%)、営業利益250億円(134.7%)、経常利益220億円(145.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益140億円(76.5%)。
為替レートは、152円/米ドル、180円/ユーロを前提としている。

タダノの2025年12月期決算短信
決算説明資料