東京計器が2月6日に発表した2026年3月期第3四半期(2025年4〜12月)連結決算は、防衛・通信機器事業が大きく伸びたことにより、全ての利益項目で前年同期を大幅に上回った。売上高は397億4,800万円で前年同期比16.1%増となった。営業利益は20億3,800万円で同93.4%増、経常利益は21億8,400万円で同77.8%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は17億3,900万円で同86.5%増と、いずれも大幅な増益を達成した。1株当たり四半期純利益は105円82銭となり、前年同期の56円75銭から大きく改善した。
当第3四半期の経営環境は、雇用・所得環境の改善による個人消費の緩やかな回復や企業収益の改善が見られたものの、物価上昇の継続や米国の関税政策の影響、中国経済の低迷、ウクライナ紛争の長期化など、先行き不透明な状況が続いた。しかし防衛予算の増加を背景に防衛・通信機器事業が大きく伸長したほか、船舶港湾機器事業をはじめ全ての事業で増収となったことが業績を押し上げた。
■ セグメント別業績
セグメント別では、船舶港湾機器事業の売上高は99億5,500万円で前年同期比12.4%増となった。新造船向け機器の需要が順調に推移したことに加え、保守サービスの需要も高水準で推移した。営業利益は10億6,600万円で同8.0%減となり、販売費および研究開発費の増加が利益を圧迫した。
油空圧機器事業の売上高は84億9,800万円で同1.4%増だった。プラスチック加工機械市場向けは低調だったものの、建設機械市場や工作機械市場向けが堅調に推移した。営業利益は3,700万円で同79.5%減となり、油圧応用装置の納入減少等による製品構成の変化で原価率が上昇した。
流体機器事業の売上高は32億9,300万円で同7.8%増となった。民需市場向け新製品の電池駆動式流量計や立体駐車場向け消火設備が好調だった。営業利益は1億7,700万円で同3.1%減となったが、前年同期並みの水準を維持した。
防衛・通信機器事業の売上高は156億8,300万円で同31.1%増と大幅な増収となった。防衛予算の増加を背景に航空機搭載機器や艦艇搭載機器等の販売が好調に推移した。営業利益は8億6,700万円で前年同期の3億6,700万円の損失から黒字に転換した。売上高の増加と製品構成の変化による原価率の好転が寄与した。
その他の事業の売上高は23億1,900万円で同16.6%増となった。鉄道機器事業が堅調に推移したことが要因だ。営業損失は5,600万円で前年同期の4,400万円の損失から拡大した。
受注残高は640億4,300万円で前年同期比10.3%増となり、過去最高を更新した。特に防衛・通信機器事業の受注残高は460億7,000万円で同5.2%増と高水準を維持しており、今後の業績を下支えする見込みだ。
■ 通期業績予想
通期業績予想については、11月7日に公表した予想を上方修正した。売上高は604億円で前回予想比1億円増、営業利益は45億円で同5億円増、経常利益は46億円で同5億4,000万円増、親会社株主に帰属する当期純利益は32億1,000万円で同3億5,000万円増とした。防衛・通信機器事業において防衛省向け機器納入が順調に推移する見通しに加え、製品構成の変化に伴う原価率の好転が見込まれることが上方修正の理由だ。
前期実績と比較すると、売上高は4.8%増となる一方、営業利益は7.3%減の見込みだ。これは本社移転費用として営業利益に4億円の影響があることが主因となっている。
配当については期末配当を40円とする予定で、2000年度以降の過去最高を3期連続で更新する見通しだ。同社は成長投資を最優先としつつ、財務基盤とのバランスを考慮しながら安定的かつ継続的な株主還元に努める方針を示している。
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