・光ファイバー計測で鋳造品質と新鋼種開発を高度化
プライメタルズ テクノロジーズは2月5日(ロンドン)、ドイツの大手鉄鋼メーカー、ヒュッテンベルケ・クルップ・マンネスマン(Hüttenwerke Krupp Mannesmann、HKM)のデュースブルク製鉄所向けに、最新の連続鋳造モールド監視技術「モールド・エキスパート・ファイバー(Mold Expert Fiber)」の導入工事を受注したと発表した。連続鋳造プロセスの高度化を通じ、スラブ表面品質の向上と操業安定化を図る。
今回導入されるモールド・エキスパート・ファイバーは、光ファイバー温度計測を用いてモールド内部をリアルタイムで可視化するシステム。モールド1基あたり数千点規模の計測ポイントを持ち、必要に応じて1万点以上へ拡張できる。従来の限られた熱電対に依存する方式に比べ、モールド内部の状態を高密度かつ連続的に把握できる点が特長だ。
同システムにより、スティッカー(固着)やコールドスポット、縦割れといった鋳造トラブルにつながる重要イベントの検知精度が向上するほか、鋳造開始時の溶鋼注湯制御やメニスカス非対称の低減にも効果を発揮する。さらに、メニスカス形状、モールドパウダーの挙動、テーパー精度に関する詳細なリアルタイムフィードバックが得られ、操業条件の最適化を支援する。
最大の特長は、モールド幅全体にわたるメニスカス形状の把握や、モールド内部における溶鋼流動の詳細情報など、従来は取得が難しかったデータを提供できる点にある。鋳造開始直後から潜在的な鋳片破断リスクを早期に警告できるため、新鋼種開発においても有効なツールとして活用が期待されている。
HKMはスラブおよびブルーム鋳造を専門とし、年間約400万トンの溶鋼を生産、2,000種類を超える鋼種を手がける欧州有数の一貫製鉄所を運営している。今回のシステム導入により、品質要求の高度化に対応するとともに、中間製品向けの先進的な鋼種開発を加速させる。
プライメタルズ テクノロジーズは、連続鋳造分野におけるデジタル化・高度化技術の提供を通じ、今後も世界の鉄鋼メーカーの生産性向上と品質安定に貢献していく方針。
<プロジェクト概要>
案件名:HKMデュースブルク製鉄所向けモールド・エキスパート・ファイバー導入
発注元:ヒュッテンベルケ・クルップ・マンネスマン(HKM)
受注先:プライメタルズ テクノロジーズ
内容:連続鋳造モールド内部可視化システムの設計・導入
技術特長:光ファイバー温度計測による高密度・リアルタイム監視
目的:鋳造品質向上、操業安定化、新鋼種開発支援
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