・2027年4月の統合目指す、国内外で競争力強化
カナデビア(大阪市住之江区、桑原道社長兼CEO)と日鉄エンジニアリング(東京都品川区、石倭行人社長)は2月5日、経営統合に向けた検討を開始すると発表した。両社は同日付で基本覚書を締結し、2026年9月の最終契約締結、2027年4月の統合効力発生を目指す。統合方式はカナデビアを存続会社とする吸収合併を基本に検討を進める。
■廃棄物処理・環境分野で補完関係
カナデビアは1881年創業の大阪鐵工所を源流とする総合機械メーカーで、ごみ焼却発電施設を中心とする環境事業を主力とする。世界44カ国・地域で1,500施設以上のごみ処理プラント納入実績を持つグローバル企業。2025年3月期の連結売上高は6,105億円、営業利益269億円。従業員数は連結で約1万3,000人に上る。
一方、日鉄エンジニアリングは日本製鉄の100%子会社で、2006年に同社のエンジニアリング事業本部が分社独立して誕生した。製鉄所建設で培ったプロセス技術と鋼構造技術を基盤に、環境・エネルギー分野や社会インフラ分野で事業を展開する。2025年3月期の単独売上高は2,693億円、営業利益40億円(連結参考値では売上高4,005億円、営業利益158億円)。従業員は連結で約5,600人。
■環境事業の構造変化に対応
統合の背景には、環境関連施設を巡る事業環境の大きな変化がある。国内では廃棄物処理施設の老朽化対応による自治体の更新需要が見込まれる一方、中長期的には施設の広域化・集約化が進む。海外ではSDGsへの関心の高まりを受け、Waste to Energy施設など環境プラントの新設需要が拡大している。
しかし、労働人口減少による人材獲得競争の激化やサプライチェーンの維持といった構造的課題への対応も急務だ。両社は「資源循環」「脱炭素化」「強靭化」の3領域で事業ポートフォリオを構築し、国内で安定収益基盤を確立した上でグローバル市場に展開する戦略を描く。
■技術開発とDX推進を加速
統合により、エンジニアリング技術の高度化や開発スピードの向上、AIやロボティクスを活用したDX推進を加速させる。Waste to EnergyやWaste to Xの推進、カーボンニュートラルの実現、社会インフラ基盤の整備など世界共通の課題に、業界トップの経営基盤と最先端技術力で取り組む方針。
統合後の会社名や経営体制、統合比率などは今後のデュー・デリジェンスを経て決定する。統合新会社は日本製鉄の関連会社または子会社となる可能性があるが、東証プライム市場での上場は維持される見込み。
プラント業界では大型案件の獲得競争が激化する中、環境分野での再編が進む可能性もあり、今回の統合が業界地図にどのような影響を与えるか注目される。
ニュースリリース(日鉄エンジニアリング)
ニュースリリース(カナデビア)