カナデビア、橋梁事業から撤退、向島工場も閉鎖

・市場縮小で事業継続困難に

カナデビアは2月5日、橋梁事業から撤退し、広島県尾道市の向島工場の操業を終了すると発表した。同日開催の取締役会で決議した。国内新設橋梁市場の縮小が続き、受注確保が困難となったことから、事業継続を断念した。同社の橋梁事業は1900年の事業開始以来、120年以上にわたり国内外で多数の橋梁建設に携わってきた。2025年3月期の売上高は105億7,300万円で、連結売上高の1.7%を占める。従業員数は239名(2026年1月末時点)。

撤退の背景には、国内新設橋梁市場の構造的な縮小がある。市場は1995年度をピークに減少が続いており、近年は発注量が大幅に落ち込んでいる。競争激化により安定的な受注による工場操業の確保が難しく、厳しい経営環境が続いていた。

同社は中期経営計画「Forward 25」において「事業構造改革の推進」を重点施策に掲げ、事業ポートフォリオ・マネジメントを進めている。今回の決定も、全社ビジョンとの整合性や企業価値への貢献度を総合的に評価し、「選択と集中」に基づく経営資源の最適配分を図る一環として下されたものだ。

■4年後の完全撤退を目指す

撤退スケジュールは段階的に進められる。2月5日以降、橋梁事業に関する新規案件の営業活動を停止。向島工場は2026年度中に既存受注案件の工場製作完了後、操業を終了する予定だ。橋梁事業からの完全撤退は、既存受注案件の現地工事施工完了後となる2030年度を予定している。

閉鎖される向島工場は1943年に操業を開始し、鋼製橋梁やその他鉄鋼構造物の製作のほか、食品加工検査選別機械装置の製造も手がけてきた。従業員数は157名(2026年1月末時点)。工場跡地の活用については現時点では未定としている。橋梁事業および向島工場の従業員については、雇用確保を前提に労働組合と協議のうえ処遇を決定する方針。

■不適切行為への対応は継続

同社は2025年11月6日付で向島工場における不適切行為を公表している。現在供用中の橋梁等については、橋梁事業撤退後も引き続き道路管理者と協議のうえ、定期点検等に合わせた対物確認や経過観察を実施するとしている。

今回の決議に伴い、2026年3月期第3四半期の連結決算および個別決算において、減損損失約16億円を特別損失として計上する。通期連結業績予想については同日公表の別資料で修正されている。

鉄鋼・重工業界では公共投資の減少を背景に事業再編の動きが続いており、今回のカナデビアの決断も業界再編の流れを象徴するものといえそうだ。

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