・高速回転化の宇宙実証を見据え、2026年3月まで技術成熟度を引き上げ
荏原製作所は2月3日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、宇宙機向けキャンド型モーターポンプの高速回転化に関する共同研究契約を締結したと発表した。2023年に実施した初期開発試験の成果を踏まえ、宇宙実証に向けたフォローアップ研究として、技術成熟度(TRL)のさらなる向上を図る。
同研究は、JAXAの「宇宙探査イノベーションハブ」研究テーマとして採択された取り組みの継続テーマに位置付けられる。荏原は2023年4月から、大型衛星や月着陸機などの宇宙機向けキャンド型モーターポンプを対象に共同研究を進め、高圧・低流量を実現する電動ポンプ技術を確立してきた。
近年、宇宙空間の商用利用が拡大する中で、推進系に用いられる電動ポンプには、より高い効率と信頼性が求められている。特に実用化段階では、ポンプ単体の性能だけでなく、推進薬タンクを含むシステム全体としての最適化が課題となる。このため今回の共同研究では、航行中の電力使用を最小限に抑えつつ、軽量化を実現するシステム設計の検討を進める。
研究期間は2025年12月から2026年3月末まで。月面ランダーや大型衛星、大型軌道間輸送機(OTV)への搭載を想定し、主に二つのテーマに取り組む。
一つは、ポンプの主要技術課題である軸受に関する特性データの取得で、水流し試験を集中的に実施する。もう一つは、モータやインバータ、バルブ類を含めたシステム全体の技術課題を整理し、最適設計に向けた目標を設定することである。
荏原は本研究を通じて、宇宙機向けキャンド型モーターポンプの実用化に向けた課題解決とTRL向上を加速させ、宇宙市場の多様なニーズに対応できる技術基盤を強化する方針だ。長期ビジョン「E-Vision2030」で掲げる航空宇宙分野への貢献を通じ、持続可能な社会の実現を目指すとしている。
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