クラース (CLAAS):2026年1月30日
クラースは、フランス東部グラン・テスト地域圏のメッツ・ウォピ(Metz-Woippy)工場において、ベーラ(梱包機)の製造能力を拡張した。新たに2本の組立ラインを稼働させ、次世代製品の量産体制を整える。今回の投資額は330万ユーロ約6億円、184円換算)で、農業用プレス機事業の中長期的な成長を見据えた戦略投資となる。
同工場では2025年初頭に新たなプロトタイプ工房を開設しており、今回の設備増強はそれに続くもの。新世代の丸形ベーラ「セレックス(CEREX)」や、アグリテクニカ(アグリテクニカ/Agritechnica)で金賞のイノベーションアワードを受賞した次世代角形ベーラ「キュービックス(CUBIX)」の生産基盤を構築する。
■フランスと地域への長期コミットメントを強調
投資はベーラ生産の継続的な高度化と拡張を目的としたもので、メッツ・ウォピ拠点の65年に及ぶ歴史における新たな節目となる。式典には、クラース・ミュールホイザー(Cathrina Claas-Mühlhäuser)取締役会諮問委員長、クラース・グループ(CLAAS Group)のトーマス・シュピアリング(Thomas Spiering)最高執行責任者(COO)らが出席し、国・地方・地域当局の代表を迎えた。
クラース・ミュールホイザー氏は、「当社のファミリー企業において、ベーラは100年以上にわたる中核製品であり、DNAそのものだ。フランスとは、生産拠点として、また重要な販売市場として二重の意味で深く結びついている」と強調。今回の投資について「メッツ地域、そしてフランス全体への強いコミットメントを示すもの」と述べ、フランス・リランス2030(France Relance 2030)やマーシー・エンダウメント・ファンド(Mercy Endowment Fund)など支援機関への謝意を示した。
■伝統と革新の融合
クラースは、特許取得のノッターフック、VARIANT(ヴァリアント)丸形ベーラ、ROLLATEX(ロラテックス)ネット結束、QUADRANT(クアドラント)角形ベーラなど、100年超の技術的蓄積を有する。最新モデルのセレックスは、その伝統を継承しつつ、メッツの最新鋭工場で生産され、今後の成長を支える。
シュピアリングCOOは、「革新的な製品と将来を見据えた生産設備の融合により、ベーラ事業の持続的成功に向けた産業・技術基盤を強化している」と説明。近年、研究開発や新プロトタイプ工房、インフラ、生産設備への投資を進めてきた成果として、昨年発表した新ベーラ群が最新ラインで世界向けに量産段階へ移行したと述べた。
■最終組立工程を全面刷新
メッツ・ウォピ工場は、レーザー切断、成形、ロボット溶接・手溶接、塗装、丸形・角形ベーラの組立までを一貫して担う。今回の投資では、最終組立工程の近代化に重点を置き、以下の施策を実施した。
• 低回転在庫の外部化による1,800平方メートルの倉庫スペース確保
• 魚骨配置の前工程を備えたU字型組立ラインへの再編
• 角形ベーラ組立ラインの拡張・更新
• 大型機向けの防音・人間工学対応テストブース新設
• 暖房設備改修、照明改善
• 組立ホール床面の改修
• 天井、金属構造物、天井クレーンのクラース基準による再塗装
• 直感的で人間工学的な昇降装置の導入
• 将来の自動化を見据えた物流通路の拡幅
これらの投資は、フランス政府の「フランス2030(FRANCE 2030)」プログラムの支援を受けている。
■新型CEREX 700シリーズ量産へ
新型可変室丸形ベーラ「セレックス780(CEREX 780)」および「セレックス760(CEREX 760)」の導入は、クラースのベーラ史における新たな節目となる。切断装置の有無や最大ベール径1.83メートル、1.60メートルに対応する4モデルを展開し、VARIANT 500シリーズの上位に位置付ける。高い処理能力、優れたベール密度、低動力要求を両立し、サイレージ、わら、干し草の梱包において高効率と汎用性を実現する。
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