TOYOイノベックス、訴訟損失で最終赤字に転落

・3Q累計は営業・経常黒字化も通期予想を下方修正

TOYOイノベックスが1月30日に発表した2026年3月期第3四半期決算は、売上高202億8,600万円(前年同期比2.8%増)、営業利益2億1,100万円(前年同期は5億円の損失)、経常利益4億7,000万円(同4億4,600万円の損失)と増収で営業・経常段階では黒字に転換したものの、親会社株主に帰属する四半期純損失は3億700万円(同6億5,900万円の損失)となった。1株当たり四半期純損失は15円4銭(同32円9銭の損失)だった。

当第3四半期累計期間における国内経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調にあったが、インフレの影響やマイナス金利政策の解除、円安傾向の継続などから先行き不透明な状況で推移した。海外では米国の関税政策や各国の政策リスク、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の緊迫化など地政学的リスクの高まりにより、依然として先の見通せない状況が続いた。

同社グループの事業関連業界においては、需要低迷の長期化と部材仕入価格の高止まり、燃料エネルギー価格の高騰などの影響により厳しい状況で推移した。こうした市場環境下、同社グループは中長期的な視点から持続的な成長と安定した収益確保に向けた事業活動を推進し、成形機事業の一層の強化に努め、生産効率の向上と安定供給体制の強化に取り組んだ。

受注高は213億7,100万円(前年同期比1.0%増)となった。売上高の内訳は、国内売上高が49億6,100万円(同21.1%減)、海外売上高が153億2,400万円(同14.0%増)となり、海外比率は75.5%に達した。

製品別では、射出成形機の受注が国内・海外ともに増加した。売上は国内では生活用品や自動車関連向けが減少したが、海外では中国のIT関連・医療機器関連向け、米国の生活用品関連向けが増加した。この結果、受注高は161億6,500万円(前年同期比5.4%増)、売上高は145億3,500万円(同3.2%増)となった。このうち海外売上高は110億1,000万円(同16.9%増)で、海外比率は75.8%となった。

ダイカストマシンは受注が国内・海外ともに減少した。売上は国内では自動車関連向けが減少したが、海外では東南アジアや南アジアの自動車関連向けが増加した。この結果、受注高は52億600万円(前年同期比10.6%減)、売上高は57億5,100万円(同1.8%増)となった。このうち海外売上高は43億1,400万円(同7.1%増)で、海外比率は75.0%となった。

同社は中国広東省において、医療器具メーカーの汕頭華尓怡医療器械有限公司より2021年1月5日付売買契約に基づいて販売した射出成形機25台のうち13台に品質上の不具合が発生したとの主張により、売買契約の解除及び販売した製品の運送費、通関費等の返還を求める訴訟を提起されていた。

2024年6月28日に原告の請求を棄却する判決が言い渡されたが、原告が上訴し、2025年4月22日に原判決を撤回し審理を差し戻す裁定がなされた。2026年1月14日、汕頭市金平区人民法院より汕頭華尓怡医療器械有限公司の主張が認められ、売買契約の解除並びに売買代金及び運送費・通関費等の返還を命じる判決が言い渡された。この結果、当第3四半期連結会計期間においてこれに伴う訴訟関連損失4億4,500万円を特別損失に計上した。

この特別損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益が前回発表予想を下回る見込みとなったため、通期連結業績予想を修正した。

■ 2026年3月期通期連結業績予想

2026年3月期通期連結業績予想は、売上高300億円(前期比11.0%増)、営業利益3億円(前期は5億2,100万円の損失)、経常利益4億円(同4億2,700万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失2億9,500万円(同8億4,500万円の損失)、1株当たり当期純損失14円41銭(同41円18銭の損失)としている。前回予想からは親会社株主に帰属する当期純利益のみを4億4,500万円下方修正した。​​​​​​​​​​​​​​​​

TOYOイノベックスの2026年3月期第3四半期決算短信

特別損失計上及び業績予想修正のお知らせ