・トヨタ向け全固体電池材料の量産化フェーズへ移行
出光興産(東京都千代田区)は1月29日、全固体電池向け固体電解質の量産化に向け、千葉事業所(千葉県市原市)で大型パイロット装置の建設に着手したと発表した。2025年度に最終投資を決定したもので、2027年中の完工を目指す。建設工事は千代田化工建設が担当する。
同社はトヨタ自動車と協業し、2027〜2028年の全固体電池搭載BEVの実用化を目標に掲げており、今回の装置はトヨタが開発する全固体電池に用いる固体電解質の供給基盤となる。生産能力は年間数百トン規模を計画する。
■小型実証から量産フェーズへ段階的にスケールアップ
出光興産は現在、第1・第2の小型実証設備を稼働させ、固体電解質の量産技術開発とサンプル供給を進めている。第1プラントでは主にトヨタ向け材料を、第2プラントでは別系統の固体電解質を開発しており、今回の大型パイロット装置は第1プラントで得られた成果を踏まえた次期フェーズに位置づけられる。
固体電解質の量産技術開発は、NEDOの「グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発」に採択されており、補助を受けながら計画通りに進行している。
■原料から製品まで一貫したバリューチェーン構築
固体電解質の重要中間原料である硫化リチウムについても、同社は2025年2月に大型製造装置の建設を決定しており、2027年6月の完工に向けて順調に進捗している。硫化リチウムは石油製品製造過程で発生する硫黄成分を活用しており、同社が1990年代から蓄積してきた研究成果が生かされている。
出光興産は、固体電解質の性能向上と量産技術の確立を加速させるとともに、原料から製品までの一貫供給体制を構築し、全固体電池の社会実装に向けた取り組みを強化する方針。
<計画概要>
プロジェクト名:固体電解質(全固体電池材料)大型パイロット装置建設
所在地:出光興産 千葉事業所(千葉県市原市)
目的:全固体電池向け固体電解質の量産化に向けた製造装置の構築 生産能力:年間数百トン規模
完工予定:2027年中
建設会社:千代田化工建設
関連設備:小型実証設備(第1・第2プラント)、硫化リチウム大型製造装置(2027年6月完工予定)
支援制度:NEDO「グリーンイノベーション基金事業」採択