NEXCO西日本と鹿島、高速道建設で自動化施工を本格導入

「A⁴CSEL」で盛土150万m³施工へ、遠隔管制で安全性・生産性向上

西日本高速道路(NEXCO西日本)と鹿島建設は1月28日、新名神高速道路の建設現場で、建設機械の自動化施工システム「A⁴CSEL(クワッドアクセル)」による施工を本格的に開始したと発表した。高速道路の本線建設工事への同システム適用は初めて。

導入現場は、E1A新名神高速道路(大津JCT〈仮称〉~城陽JCT・IC間)の京都府城陽市内。自動ブルドーザと自動振動ローラによる盛土作業を実施する。現場から約2km離れた工事事務所のオペレーションルームから、1人の管制員が自動ブルドーザ1台、自動振動ローラ1台の計2台を管制。さらに、自動ブルドーザと連携するナビシステムを搭載した有人ダンプトラック2台を管理する体制を構築した。

■道路特有の課題に対応、事前実証で確認

A⁴CSELは「Automated/Autonomous/Advanced/Accelerated Construction system for Safety, Efficiency, and Liability」の略称で、最小限の人員で複数の自動化建設機械を同時稼働させる鹿島独自のシステム。今回の本線建設工事への適用にあたり、道路の縦断・横断勾配、排水構造物、変化する盛土材料などの特有条件への対応が求められた。

このため、同システムの各機能をアップグレード。事前の実証試験で盛土の出来形と品質が確保できることを確認した上で、本格稼働に移行した。

■最盛期は自動機4台体制、150万m³の盛土に対応

今後は高速道路本線の盛土約150万m³を対象に施工を進める。最盛期には自動ブルドーザ2台、自動振動ローラ2台の計4台体制で自動化施工を実施する計画だ。

建設業界では熟練技能者不足や高齢化、就業者の大幅減少が深刻化している。加えて、全産業の中でも労働災害発生率が高く、安全対策を強化すると施工効率が低下する傾向にある。さらに近年は、地球温暖化による猛暑対策として、休工や労働時間の見直しも検討されている。

両社は、こうした課題に対し、ICTなどデジタル技術を活用した自動化施工が、働き方改革による担い手確保・育成、生産性・安全性のさらなる向上につながるとして、積極的に取り組む方針だ。

■遠隔集中管制など実績、普及展開を加速

鹿島はこれまでに、成瀬ダム(秋田県)で「現場の工場化」を実現したほか、2021年には遠隔地の複数現場での自動化施工を同時実施可能な「遠隔集中管制システム」を開発。2024年12月には造成工事への本格適用を開始するなど、A⁴CSELの実績を積み重ねてきた。

同社は今後も、自動化建設機械の機能・性能向上と適用機種の増強を進めるとともに、現場環境に合わせて柔軟に対応できる汎用性の高いシステムへ発展させ、建設業界の課題解決に貢献していく考えだ。

ニュースリリース(西日本高速道路)

ニュースリリース(鹿島建設)