日揮HD、福島・浪江町でグリーンアンモニア製造実証プラント稼働開始

・日量4トン、FH2R由来水素活用で低炭素化加速

日揮ホールディングス(日揮HD)は1月27日、福島県浪江町に建設したグリーンアンモニア製造技術の実証プラントで、アンモニアの製造を正式に開始したと発表した。プラント名は「浪江グリーンアンモニア統合制御実証フィールド(通称:NAMICS)」で、再生可能エネルギー由来の水素を原料としたグリーンアンモニアの効率的・安定的生産に向けた統合制御システムの実証が本格化する。製造したグリーンアンモニアは、レゾナック経由で近隣火力発電所へ供給され、排煙脱硝用途として活用される計画だ。

本プロジェクトは、NEDOのグリーンイノベーション基金事業の一環として2021年8月に日揮HDと旭化成が共同採択された「大規模アルカリ水電解水素製造システムの開発およびグリーンケミカルプラントの実証」における成果の一つ。2023年10月に着工したプラントは2025年11月に建設を完了し、試運転を経て2026年1月上旬からグリーンアンモニアの生産を開始した。

NAMICSは、近隣に位置する福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)から供給される再生可能エネルギー(主に太陽光)由来の水素を原料に使用。旭化成のアルカリ水電解技術で生成された水素を活用し、日量4トンのアンモニア合成を実現する。最大の特徴は、再生可能エネルギーの変動性を吸収するための「統合制御システム」の実証にある。電力・水素供給の不安定さを考慮した最適運転制御により、プラント全体の効率向上と安定稼働を目指す。
実証期間は2026年度末までを予定しており、日揮HDは制御システムの検証・改良を通じてグリーンアンモニア製造技術の確立に注力する。得られた知見は、旭化成が2027年度以降に計画する大規模グリーンケミカル実証プラント(メタノールなども対象)へ展開される見込みだ。

グリーンアンモニアは、従来のハーバー・ボッシュ法で使用される化石燃料由来水素を再生エネ水素に置き換えることでCO2排出を実質ゼロに近づける次世代燃料・化学原料として世界的に注目を集めている。日本国内では本プラントがグリーンアンモニアの本格実証拠点として位置づけられ、福島県の復興と水素社会実現を象徴する取り組みとなっている。

日揮HDは、本プロジェクトを通じてアンモニア製造プロセスの低炭素化に貢献し、将来的な商用プラント展開や海外輸出も視野に入れた技術基盤強化を進める方針だ。エネルギー転換の最前線で、グリーンケミカル分野のブレークスルーが加速する可能性が高い。

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