・「欧州は脅迫に屈してはならない」
ドイツ機械工業連盟(VDMA):2026年1月19日
ドイツ機械工業連盟(VDMA)は、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が、グリーンランドを米国に譲渡しない欧州諸国に対し新たな関税を課すと示唆したことについて、強い懸念と反対の姿勢を表明した。
VDMAのベルントラム・カヴラート(Bertram Kawlath)会長は、「欧州は、たとえ相手が米国であっても、脅迫に屈してはならない」と述べ、欧州の結束と毅然とした対応を求めた。
同会長は、「グリーンランドは欧州の一部であり、今後もそうでなければならない。ここでEUが譲歩すれば、米国大統領による次の理不尽な要求と、さらなる関税の脅しを助長するだけだ」と指摘。米国の拡張主義的な政策に対抗するためには、「自信、結束、そして決意をもって臨む必要がある」と強調した。
さらに、対応策としてEUの統合深化の必要性に言及し、「経済面だけでなく、とりわけ安全保障政策における統合が不可欠だ」との考えを示した。あわせて、EU委員会に対しては、経済的圧力によって政治的決定を強いられた場合に対抗措置を可能とする「反威圧措置(アンチ・コアーション・インストゥルメント)」の適用可否を検討すべきだと提言した。
また、「ワシントンが新たな懲罰的関税でEUに圧力をかけている状況下で、欧州議会が来週、米国向けの関税引き下げを決定することなど到底あり得ない」と述べ、通商交渉を進める環境にはないとの認識を示した。
米国内に向けても、カヴラート会長は「特に共和党の上下両院議員に対し、大統領の拡張主義的な行動を止めるために、その権限を行使するよう求める」と呼びかけた。「米国自身も、大西洋間貿易における影響という高い経済的代償を支払うことになり、その負担は懲罰関税政策が続く限り、さらに拡大する」と警告した。
VDMAによると、欧州の機械・プラントエンジニアリング産業は、すでに米国の懲罰関税によって不均衡な影響を受けている。多くの製品が鉄鋼・アルミニウムを対象とする50%の特別関税の適用を受けているほか、煩雑な官僚的手続きによる高コストが取引の障害となっている。この結果、輸出される機械の半数以上が影響を受ける可能性があるとしており、米国の通商政策が欧州機械産業に深刻な打撃を与えかねないとの危機感を示した。