共英製鋼、米国ビントン工場の設備投資を327百万ドルに拡大

・生産能力36万トンへ、北米戦略を加速

共英製鋼(大阪市北区)は1月16日、米国子会社Vinton Steel LLC(テキサス州)における製鋼・圧延設備の投資計画を変更し、投資総額を327百万米ドルに引き上げると発表した。昨年1月に公表した当初計画から72百万ドルの増額となる。

■生産能力を上方修正

今回の計画変更により、製鋼設備の生産能力は年産36万ネットトン(約32.7万メトリックトン)と、前回発表比3万ネットトン増となる。圧延設備も同様に36万ネットトンへと4万ネットトン増強される。

同社は一部設備の追加と仕様見直しにより、さらなる生産効率向上を図る。投資額増加の背景には、米国におけるインフレ、資材・工事単価の上昇、相互関税の影響などがあるという。

■欧州大手メーカーと連携

プロジェクトには欧州を代表する設備メーカーが参画する。製鋼工場はイタリアのTenova社製、圧延設備の大幅改造はPomini Long Rolling Mills社製を採用。設計・エンジニアリングはTechint E&C社が担当する。
生産品目は鉄筋棒鋼と鉄球用丸鋼で、米国市場における需要に対応する。

■工程は予定通り進捗

建設工事は2026年4月に開始予定。新製鋼工場は2027年3月に稼働を開始し、新ラインでの一貫商業生産は同年10月にスタートする計画だ。基礎工事等は既に予定通り進捗しているという。

資金調達については、自己資金に加え、銀行借入、テキサス州政府のIRB(産業歳入債)などを組み合わせ、最適な方法を検討する。

■中期経営計画の一環

本プロジェクトは、中期経営計画「NeXuSⅡ 2026」(2024~2026年度)における「北米事業の強化」の柱として位置づけられる。同計画で公表している北米戦略投資総額600億円の範囲内で実施される。

ビントン・スチール社は1962年設立で、共英製鋼が2016年に子会社化。設備の老朽化が課題となっていたが、今回の大型投資により生産性向上と収益改善・安定化を実現する。

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