・3カ月の試験で配送時間を最大32%削減、医療従事者の負担軽減に効果
川崎重工業は1月13日、藤田医科大学岡崎医療センター(愛知県岡崎市)において、屋内配送ロボット「FORRO(フォーロ)」の本格運用を2025年10月から開始したと発表した。藤田医科大学との共同取り組みで、医療従事者の負担軽減と業務効率化を目的としている。
本格運用に先立ち、同年7月から9月まで3カ月間の試験運用を実施。2台のFORROを用いて、外来エリア・病棟(4〜7階)と検査室・薬剤室(1階)間で検体や薬剤の配送を行った。エレベータによる階移動にも対応し、24時間体制で稼働する。
試験運用では、川崎重工の屋内外位置情報ソリューション「mapxus Driven by Kawasaki」を活用し、参加した医療従事者60名の位置情報を常時記録。移動距離や滞在時間の変化を定量的に測定した。
その結果、医療従事者が配送のために担当エリアを離れる時間は、病棟エリアで1日平均29%、外来エリアでは32%削減された。この効果が確認されたことから、10月に本格運用へ移行した。
本格運用開始時には、親しみやすさを重視し、病棟のイメージカラーにちなんで2台に「みどり」「さくら」の愛称を付与。患者や医療従事者からの受容性向上を図っている。
FORROは「ヒトは、ヒトにしかできないことを。」をコンセプトに開発されたサービスロボット。深刻化する労働力不足への対応策として、医療従事者とともに働くパートナーとしての役割を担う。外観デザインも親しみやすさを重視した設計となっている。
位置情報ソリューションは、GPS非対応の屋内空間でも一般的なWi-Fi環境のみで測位が可能。ショッピング施設や国際空港、医療・介護施設など、すでに複数の導入実績がある。
高齢化に伴う患者数増加と労働人口減少が進む中、医療現場の業務自動化は喫緊の課題となっている。両者は今後も、ロボットのさらなる活用方法について検討を続ける方針だ。
なお、今回の試験運用には愛知県の「ロボット未活用領域導入検証補助金」が活用されている。
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