キャタピラー(Caterpillar):2026年1月7日
キャタピラーは1月7日、米ラスベガスで開催中のCES 2026において、AI(人工知能)と自律化技術を中核とした次世代建設・鉱山機械の方向性を明らかにした。機械を高度に知能化・接続化することで、インフラ構築の在り方を変革するとともに、それを担う人材育成に5年間で2,500万ドルを投じる方針を打ち出した。
同社は、CEOのジョー・クリード(Joe Creed)氏が、最高デジタル責任者(CDO)のオギ・レジック(Ogi Redzic)氏、最高技術責任者(CTO)のジェイミー・マイナート(Jaime Mineart)氏とともにCES基調講演に登壇。AI、自律化、エッジコンピューティングの融合により、次世代の重機・産業機械がどのように進化するかを紹介した。
■「見えない技術レイヤー」を支える産業AI
AIの進展は物理世界を支える基盤、いわば「見えない技術レイヤー」に依存している。キャタピラーは、半導体や電池に用いられる重要鉱物の採掘機械から、道路、橋梁、データセンター、エネルギー設備の建設機械に至るまで、社会インフラを支える機械を提供してきた。CES 2026では、こうした分野で産業AI(Industrial AI)を構想段階から実装フェーズへと進めていることを示した。
■「キャットAIアシスタント(Cat AI Assistant)」を発表
新たに発表した「キャットAIアシスタント(Cat AI Assistant)」は、キャタピラーの各種デジタルアプリケーションと高品質データを統合する対話型AIソリューションだ。統合データ基盤「ヘリオス(Helios)」に蓄積された信頼性の高い自社データを活用し、現場やオフィスでの意思決定を支援する。将来的には、建機のキャブ内での活用も視野に入れる。
■エヌビディアとの協業を拡大
キャタピラーは、エヌビディア(NVIDIA)との協業拡大も発表した。車載AI機能やAIエージェントの大規模展開、安全性と効率性を高めた生産システムの構築を加速する。エヌビディアのAIインフラと、キャタピラーが100年にわたり培ってきた実機・現場の知見を融合し、産業分野における新たな技術標準の確立を目指す。
■自律化技術を建設分野へ展開
鉱山向け自律走行機械で30年以上の実績を持つキャタピラーは、その技術を建設機械分野へ本格展開する。CESでは、複雑な建設現場でも安全かつ高信頼で稼働可能な5機種の自律型建機コンセプトを披露し、建設業界の生産性向上に向けた方向性を示した。
■人材育成に2,500万ドルを拠出
同社は技術革新と並行して、人材こそが最も重要な基盤であると強調。デジタル化・自律化が進む環境で必要となるスキル習得を支援するため、5年間で2,500万ドルを投じ、グローバル規模のイノベーション・プライズ(表彰制度)を創設する。新たな職種や働き方に対応できる人材育成を支援する。
キャタピラーは過去20年間で研究開発に約300億ドルを投資しており、2030年までにデジタル・技術分野への投資を2.5倍に拡大する計画だ。AIと自律化を軸とした先進技術により、顧客が直面する課題解決を支援していく方針を示している。
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