米キャタピラー、建設機械の自律化で「次の時代」を提示

・自律掘削・運搬・整地まで知能化、30年超の研究成果を結実

キャタピラー(Caterpillar):2026年1月7日

キャタピラーは1月7日、建設機械分野における自律化技術の新たな段階を発表した。人工知能(AI)や機械学習を中核とするインテリジェントマシンを投入し、世界の建設現場の作業効率と安全性を抜本的に変革するとしている。今回の発表は、同社が30年以上にわたり進めてきた自動化・機械知能分野の研究開発と実地導入の集大成に位置付けられる。

キャタピラーの最高技術責任者(CTO)であるジェイミー・マイナート(Jaime Mineart)氏は、「建設のワークフローに自律性を組み込むことで、より安全な現場、より良い仕事、そして現代の建設現場における生産性を再定義する高精度作業を実現する」と述べた。

■自律化を進める主な製品群

今回示されたインテリジェント製品ラインには、以下の建設機械が含まれる。
• 油圧ショベル(Excavators):自律トレンチ掘削、積み込み、整地作業などに対応
• ホイールローダー(Loaders):自律ナビゲーションとリアルタイムデータ処理による資材搬送・ダンプ積載
• ダンプトラック(Haul Trucks):岩石、土砂、鉱物など大量資材を運搬するオフロード自律車両
• ブルドーザー(Dozers):高精度な整地・土工を自律で実施
• コンパクター(Compactors):路盤や地表の自動締固めによる品質・安全性の確保
• 現場最適化システム:キャット・ビジョンリンク(Cat® VisionLink™)およびキャット・マインスター(Cat® MineStar™)により、車両群を接続し現場全体を統合管理

30年超の実績に裏打ちされた自律技術

キャタピラーの自律化への取り組みは1980年代にさかのぼる。カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon)との共同研究を通じて、ソフトウエア、GPS、認識技術を開発し、初の自律ダンプトラックの実証試験を行った。

1990年代にはセンシング、測位、制御技術を高度化し、現在の自律運転の基盤を構築。2000年代半ばには過酷な環境下での実証を進め、完全自律で稼働するレベル4自律運転機械をいち早く実用化した。

現在、同社の自律鉱山車両フリートは世界最大級の規模を誇り、これまでに110億トン以上の資材を安全に運搬し、走行距離は累計3億8,000万キロメートルを超えている。

■AIとセンサー融合による「デジタル神経系」

キャタピラーの自律ソリューションは、AI、機械学習、コンピュータービジョン、エッジコンピューティングを基盤とし、センサーデータをリアルタイムで処理する「デジタル神経系」として機能する。LiDAR、レーダー、GPS、高解像度カメラを統合し、建設現場を360度で常時把握。複雑で変化の激しい環境下でも、精度の高い自律作業を可能にする。

マイナート氏は「顧客とともに、現場ごと、技術革新ごと、大胆な発想ごとに、私たちが支える産業を変革していく」と強調した。

なお、同社の建設分野における自律化の取り組みは、2026年に開催されるコネクスポ/コンアグ(CONEXPO-CON/AGG 2026)でも紹介される予定だ。

■会社概要

キャタピラー(Caterpillar)は、建設機械・鉱山機械、オフハイウェイ用ディーゼル・天然ガスエンジン、産業用ガスタービン、ディーゼル電気機関車を手掛ける世界最大級のメーカー。2024年の売上高は648億ドル。建設機械、資源産業、電力・エネルギーの3事業を柱に、グローバルな販売・サービス網を展開している。

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